J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年12月06日(土)    一番可愛い頃だな、お風呂も一緒に入れるし、

J (3.秘密の恋愛)

2. 出張 (5)


「友美ちゃんはどうしてる?元気か?」と鏑木さんが尋ねました。
「ええ、お蔭様で。変わりなくやってます、」と私。
「子ども、名前なんて言ったっけ、いくつになった?」
「雪子、です、2歳になりました。」
「一番可愛い頃だな、お風呂も一緒に入れるし、」
「ええ、、」

私は微笑みながら相槌を打ち自分の家族に思いを馳せました。


子どもの雪子は私にとって宝物でした。
私はユキ(雪子)と過ごす時満ち足りた気分になりました。
純真無垢で人懐っこくお茶目でいつも笑っている子でした。

食事の時以外は必ず私の膝の上に座りたがりました。
私はそんなユキが愛しくっていつでもそれを許しました。
ユキが座っている間は煙草を吸えない辛さがあるにも拘わらず。

私は幸せでありました。


こうした生活を支えてくれていたのは他ならぬ妻の友美さんでした。

妻の友美さんは健康そのものでした。
張り合いを持って家事をこなし、
子どもと共に充実した日々を過ごしていました。
悩みも憂いも何一つなさそうに見えました。

心配事があると必ず私に聞いてきました。
私はどんなに疲れていても友美さんの話を聞き、
どうしたらいいか決めてあげました。
友美さんは自分で決めることができない人でしたので。

友美さんもまた幸せでありました。


私の家庭は円満で何ひとつ不自由なく、満ち足りた生活を営んでいたのです。


・・

新幹線が新大阪に着く頃には予想通りみな出来上がっていました。

飲めば疲れを知らないメンバーです。
いくらでもとことんいってしまいます。

けれど明日は早い。
そして重要な仕事が待っている。

私は一人気をしめてアルコールを少なめにしておきました。

一行はタクシーで一度ホテルへ向かい、
チェックインした後に梅田へ向かいました。


レイは言われるままに従い、みなの後を着いてきていました。



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