J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年09月12日(金)    まるでレイちゃんは工藤の会社での奥さんだな。

J (3.秘密の恋愛)

1. 総合職 (4)


レイは私にとって仕事上のパートナーとしてなくてはならない存在になっていました。
私はレイに対して全面の信頼を置けました。
何も言わずともレイは私の思うように仕事をしてくれました。

レイも私に全面の信頼を寄せてくれていました。
仕事上の問題について全て私に相談をし困った時は私に頼りました。
私とレイは息も気持ちもぴったりとして仕事をしていたのです。


同僚によくヒヤかされたものです。
「まるでレイちゃんは工藤の会社での奥さんだな。」
「工藤はいいな、家じゃ奥さんによくしてもらい、会社じゃレイちゃんによくしてもらい、。」
などとあからさまに。

そう言われても私はなんとも動じませんでしたが。



私のレイへの恋愛感情はもうすっかりなくなっていました。
3年前に封印した恋愛の情は風化していたのです。
私はレイを見ても部下として以外に何も感じませんでした。

レイに恋人があるとかないとか、
レイがプライベートでどこでなにをしていようが、
私にとってまったく興味が沸かない事柄になっていました。

私は仕事をし、仕事上で私はレイを必要とし、
レイは私にとってなくてはならない存在でしたが、
私からみるレイは恋愛とは縁のないものになっていたのです。


レイもまた私に対してはそういう態度で接していました。



上司と部下、それ以上も以下もない、普通の関係。

それが私とレイでした。




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