J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年09月10日(水)    私と友美さんは普通に夫婦生活を営んでいました。

J (3.秘密の恋愛)

1. 総合職 (2)


仕事が忙しいからといって私は家庭を顧みない、ということではありません。
時間があればその時間はすべて家族のために費やしました。
たまの休日には必ずお弁当をもってどこかへ出かけました。
誰の目からも仲のよい好感の持たれる家族、を私は演出したものです。

それは何より友美さんへの愛情の表現になりました。
友美さんは私の中で生きる、そういう夢を持っていました。(参照こちら

私はいつでも友美さんといられる時は、
友美さんの居心地のいい過ごしやすい世界を作るのです。
すると友美さんは心から喜んでくれる、
そして私はその表情を見ると生きている喜びを感じる、
私と友美さんはそういう夫婦関係が成り立っていたのでした。


長女の雪子は私にとって宝の存在でした。
私は雪子を「ユキ」と呼び可愛がりました。
ユキは普段あまり接しない私にあってもよくなつき、
愛くるしい笑顔は疲れた私の慰みになったものでした。


ユキの出生後、私の友美さんに対する性的能力は復調しました。
もとより、正常な能力を有していた私だったのです。
ただ、妊娠した友美さんに“女性”を感じなくなっていた、
それだけだったのかもしれません。

ですから、
私と友美さんは普通に夫婦生活を営んでいました。


普通に。です。


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