J (2.結婚)
13. 父の入院 (3)
性生活を除けば新婚生活は甘いものでした。
朝起きてキスをして、出掛ける時にキスをして、 帰ってきてはキスをして、おやすみ前にキスをして、 書くのも照れるような(読むのも照れるでしょうが)生活でした。
朝早く仕事に出掛け、夜遅く帰ってくる私にとって、 友美さんと過ごす家でのひとときは本当に貴重な時間でした。
精一杯の愛情を表現して過ごしていて当たり前なのです。
私の子ども、、、
私の子どもを産んでくれる友美さん、、、
私は生涯を費やして、 子どもと友美さんの幸せのために生きるのだ、
そういう生きがいを見出していた私なのですから。(参照こちら)
家では満ち足りた日々、会社では多忙の日々。
それがその年の暮れの私の毎日でした。
・・
レイとの関係はすっかり落ち着いたものになっていました。
上司と部下、それ以上も以下もない、普通の関係です。
特別に意識することもなく、特別に気遣うこともなく、 もともと何があったわけでもなく、普通に落ち着いていったのです。
結婚前後にあったいろいろな出来事もやがて記憶から薄れて。
初めて酒を飲んだ夜のあの出来事もやがて風化して。(参照こちら)
レイと私は特別に何もない上司と部下になっていたのです。
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