J (2.結婚)
12. 指輪 (15)
しかし時間がない。 友美さんとゆっくりなんか話してられない。 あと10分や15分で出ないと間に合わないぞ。
昨日の今日だ。 酒を飲んだ翌日は意地でも早く出社しないと体裁が悪い。
私はシャワーを適当にしてそそくさと着替えを済ませる。 頭はまだ重い、アルコールが残っている。
食事。 う〜ん、食べられそうもないなぁ、これじゃ。
でも、しっかりしないと。 義母の手前もあるしな。
・・
茶の間には簡単な食事が用意されていました。 一緒に食べようと友美さんが待っている。 義母は席を外している。
ご飯を軽く盛ってくれる友美さん。 「ありがと、」、、、一口頬張る私、しかし食が進まない。 「お湯あるかな、お茶漬けにして食べるよ、時間ないから」 私はお湯を貰って飯を飲み込み、辛うじて食を済ませました。
一服を点けながら話す私と友美さん。 「身体の具合は、どう?」 「大丈夫、よ、」 「そうか、大事にしてね、」 「うん、」
時計を見る私、そろそろ行かないと。 「さ、行かなくっちゃ、今夜は早く帰ってくるからさ、」 「、、、うん、何時頃?」 「う〜ん、できるだけ、仕事の都合により、だからなぁ、でも最善を尽くして、」 「ご飯は?、一緒に食べられるの?」 「それも仕事の都合によってだな、仕事の都合で遅くもなり早くもなりだし、 そうそう、お義母さんもいることだし先に食べておいてよ、ね、」
友美さんだってオレの仕事、知ってるでしょ。 営業に定時はないの。 分かってよ。 もう時間がないから行くね。
私は無言で支度をして玄関に向かう。
!、そうだ、義母に挨拶しておかなくっちゃ。
私は義母の部屋に行き襖の外から声をかけました。 「お義母さん、行ってきます、トモミさんをよろしくお願いします。」 義母は「あら、もう、」と言いながら部屋から出てきました。
「今夜は早く帰ってきてあげてね、純一さん、」 「は、はい、できるだけ、でも仕事の都合もありますので、」
、、、なんとも、、、バツが悪い私です。
・・
玄関で友美さんは靴を出していてくれました。
友美さんが身繕いを確かめてくれる。
ネクタイ、よし、っと。
あら?
なに?
純一さん、指輪は?
あれ?、、、え!?
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