J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月30日(月)    友美さんはいつも通りの友美さんでした。

J (2.結婚)

12. 指輪 (14)


私は身体を起し友美さんの肩に手をやり、
「トモミさん、ゴメン、遅くなっちゃった、」
と小さな声で言いました。

友美さんは泣いていました。
私は友美さんの顔を覗き込んで、
もう一度、「ごめんね、」と声を掛けました。

、、、友美さんは首を振りました。


言い訳、しようか、
私はそう思いましたがやめておきました。

こんな時間に言い訳を始めても仕方ない、
それにオレはもう眠い、
そして明日はまた仕事だ、
このまま眠るのが賢明だろう、、、

私は友美さんの頭をくしゃくしゃと撫でてから「おやすみ、」と言って、
再び自分のふとんに潜り込み、そして次の瞬間にはもう寝ていました、、、。


・・

朝がすぐにきました。

私はギリギリまで寝かせてもらい、起きてからシャワーを浴びました。
友美さんはいつも通りの友美さんでした。
キチンと私の身の回りのことをしてくれてありました。

起きてすぐに友美さんに話し掛ける私。
「おはよう、トモミさん、昨夜は、遅くなっちゃって、」
「おはようございます、純一さん、つらくない?、お食事、食べられる?」
「うん、なんとか、でも軽めにしておいて、」
「分かった、」
友美さんは実務的にそう言って家事に戻りました。

義母も別段細かいことは言いませんでした。
「サラリーマンって大変ね、身体を壊さないようにしてくださいね。」
私が忙しく出かけることもあってか言葉少なにそう言っただけでした。


確かに友美さんは昨夜泣いていた、、、

悪いことしちゃったよな、オレ。

だけど、何を?

遅くなったから?


でも。

遅くなることはこれからもあること。
いちいち泣かれても困るしなぁ。

、、、よく話し合っておかないといけないな、これって。


シャワーを浴びながら考える私でした。



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この物語はフィクションです。

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