J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月29日(日)    あ〜あ。まずいな、こりゃ。

J (2.結婚)

12. 指輪 (13)


そうだ、あのあと電話していなかった、
何時に帰るとも言わなかったから、
たぶん友美さんのことだから起きて待ってたんじゃ、、、


私は、しまった!、という思いにかられました。
独身時代ならいざ知らず、結婚して待っていてくれる人がいる今になっては、
キチンと連絡をしておくべきだった、そう思いました。

が、もう後の祭りです。
すでにこんな時間です。
そして私はヘロヘロに酔っ払っています。
思慮深く友美さんに接する芸当は到底できるものではありません。

私は無防備にドアに手をかけそして家の中に入りました。


・・

どうやら皆寝ているようでした。
皆、と言っても、友美さんと義母のふたりですが。

私はそおっと足を忍ばせて茶の間に入る。
夕食の準備がテーブルの上にされていました。

あ〜あ。まずいな、こりゃ。


そっと襖に手をかけて隣りの部屋を覗いてみる。
友美さんが明かりを点けたまま横になって寝ていました。

よかった、寝ていてくれた、
(ただいま、ごめんね、トモミさん、遅くなっちゃって、)
私は心の中で手を合わせそう言い、

そして、

どうしよう、シャワーでも浴びたいところだけど。
ここでガタガタさせちゃ、義母も起きちゃうしな、
しかたがない、このまま眠るか、、、。

、、ふぅ〜、居心地がワルイったらありゃしないぜ。



私は背広を脱ぎ捨てて下着姿になり、そのままふとんにもぐり込む。

明かりを消して。


すると、隣りのふとんから微かに嗚咽が、、、。

トモミさん?

、、、起きてたの?



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