J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月19日(木)    友美さんが出てくれるといいな、、、。

J (2.結婚)

12. 指輪 (4)


友美さんが出てくれるといいな、、、。

受話器に耳を当てながら私は思いました。

もし義母が出たらなんと言おう、言い辛いな、飲んで帰るなんて。


私の隣にはレイがいる、聞く振りもなくそこにいる。
私はみなに薦められ自宅に電話を掛けることになったのでした。

呼び鈴が鳴る、一回、二回、三回、、、。

そして四回目、カチャっと受話器が外れる音。

「もしもし、」私。
「もしもし、純一さん?、」と友美さんの声。

(良かった、友美さんが出てくれた、、、)

「うん、オレだけどさ、今夜ちょっと皆で飲むことになったから。」
「、、、遅いの?」

いや、そんなに遅くならないようにするよ、
と言いたいところだったのに私は言わなかった。

なぜなら、、、
私の隣にはレイがいる。皆がいる。
こんなところで甘っちょろい言葉なんか掛けられるかよ、。

「分からない、じゃ、お義母さんによろしく、」
「、、、はい、」

何か言いたげな友美さんでしたが、私は思いっきり電話を切りました。
ガチャリと音を立てて受話器を置いて、
「これで良し、っと、」と皆を見回してそう言いました。
どうだと言わんばかりの顔付きで。

でもね、
内心は、友美さんゴメンよ、と悲しい気持ちで謝ってもいたのです、、、。


・・

駅前の焼鳥屋までてんでばらばらになって歩いていきます。
私とともに歩いているのは同期の矢崎(参照こちら)、
鏑木さん(参照こちら)はレイと杉野佳菜(参照 こちらこちら)とともに、
そして宮川(参照こちら)と安田(参照 こちら)。
(その他私のセクションについての参照こちら

総勢7人の飲み会です。



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