J (2.結婚)
12. 指輪 (4)
友美さんが出てくれるといいな、、、。
受話器に耳を当てながら私は思いました。
もし義母が出たらなんと言おう、言い辛いな、飲んで帰るなんて。
私の隣にはレイがいる、聞く振りもなくそこにいる。 私はみなに薦められ自宅に電話を掛けることになったのでした。
呼び鈴が鳴る、一回、二回、三回、、、。
そして四回目、カチャっと受話器が外れる音。
「もしもし、」私。 「もしもし、純一さん?、」と友美さんの声。
(良かった、友美さんが出てくれた、、、)
「うん、オレだけどさ、今夜ちょっと皆で飲むことになったから。」 「、、、遅いの?」
いや、そんなに遅くならないようにするよ、 と言いたいところだったのに私は言わなかった。
なぜなら、、、 私の隣にはレイがいる。皆がいる。 こんなところで甘っちょろい言葉なんか掛けられるかよ、。
「分からない、じゃ、お義母さんによろしく、」 「、、、はい、」
何か言いたげな友美さんでしたが、私は思いっきり電話を切りました。 ガチャリと音を立てて受話器を置いて、 「これで良し、っと、」と皆を見回してそう言いました。 どうだと言わんばかりの顔付きで。
でもね、 内心は、友美さんゴメンよ、と悲しい気持ちで謝ってもいたのです、、、。
・・
駅前の焼鳥屋までてんでばらばらになって歩いていきます。 私とともに歩いているのは同期の矢崎(参照こちら)、 鏑木さん(参照こちら)はレイと杉野佳菜(参照 こちらとこちら)とともに、 そして宮川(参照こちら)と安田(参照 こちら)。 (その他私のセクションについての参照こちら)
総勢7人の飲み会です。
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