J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月11日(水)    何故君は変わってしまったの。

J (2.結婚)

11. 変貌 (9)


何故君は変わってしまったの。
髪を栗色に染めて、指輪を嵌めて、香水をつけて。
急に大人びた君に僕は戸惑いばかり覚えるよ。

もしかして。
もしかして彼氏となんかあったの。
以前話していた、あの年上の人、、、。(参照こちらこちら


もしかして、やっちゃったの、、、。


・・私は目をそらしたレイを見ながらそんなことを考えている。


でも、、、聞けっこないよ、そんなこと。

オレとレイとは何もないんだから。
ただ、オレが、オレひとりが恋愛の情を持ってしまっただけ。
それも結婚を前に心の奥底に封印した感情。

レイを前にして、こうしてあれこれ考えていても何も始まらないこと。


私は首を振り、自分を取り戻しました。


・・

黙っているレイに向かって私ははっきりとした声でもう一度言いました。

「レイちゃん、いいね。」

レイもまた何かを考えていたようでした。
私の声で自分を取り戻したかのように首を振り、
そして彼女もまたはっきりとした声で答えました。

「はい、了解しました、工藤さん。」


私はこれでいい、そう思い、「うん、」と一言言って席を立つ。
レイはさらに何か言いたそうな顔をする。
私は「ん?」と問いかけたような顔でレイを見る。

レイは思い詰めたような顔をしている。
何かを訴えるような顔。

「なんだい?、レイちゃん、まだ何か話があるの?」


レイは。

レイはいきなりこういうのです。

「工藤さん、私、彼ができたんです。」


、、、!。 彼って?


何故?、何故急にそんなこと言うんだよぉ。レイちゃん、、、!



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