J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月10日(火)    結婚指輪。これは友美さんとの絆。

J (2.結婚)

11. 変貌 (8)


結婚指輪。

これは友美さんとの絆。
この指輪とレイの指輪は重みが違う。

だが。
男が指輪なんてしている方が営業としては確かに問題だ。

それに。
指輪はだめだ、とそう言った本人が指輪をしている。

これじゃぁ、下の者にしめしがつかないじゃんか!


「う〜ん、、、」私は言葉に窮しました。


・・

レイは頭のいい子でした。
私が困惑しているのを見て取ってすぐに私をフォローする。

「工藤さん、すみません、分かりました。
 指輪は今後仕事中はしません。約束します。
 大切な結婚指輪と私の指輪、いっしょに考えちゃいけないもん。」

この言葉は私の心に響きました。
私は何事も自己に対して整合性を求める男です。
仕事上で、結婚指輪も、遊びの指輪も、同じ指輪であって違いはない。

私はレイに向かって宣言する。

「いや、レイちゃん、君の言う通りだった。
 僕も仕事中は指輪を外す事にする。」

「でも、それじゃ、」
「君には関係ないことだ、気にしなくていい。
 ただ、これで君も僕も同じってことだから、僕の言うことを聞いてね。」

レイちゃん、と私は優しい眼差しでレイを見ました。


ところが、、、。

今度は、レイが目をそらしました。

私を避けるように。


私は目の前にいるレイが遠く遠く感じました。



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この物語はフィクションです。

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