J (2.結婚)
11. 変貌 (4)
くっ。
子どもだとばっかり思っていたのに、 このレイの存在感は何だ、、、。
チラリとレイを横目で見てみる。 ああ、なんと、めちゃめちゃいい女に見える。 もう手が届かない存在なのに、、、。
「工藤さん、さっそくなんですけど、いくつか報告があります。」 「なんだい。」 「ご不在中にちょっとしたミスがあったこととか。いろいろなんですが。」 「うん、じゃさ、始業したら別室でまとめて話を聞こう。 バラバラ報告されてもオレも理解しにくいし。 鏑木さんと矢崎にも時間を取ってもらって一緒に聞こう。」 「はい、」
レイの口調は以前と変わりませんでした。 が、やはりどことなく大人びた雰囲気が醸し出されている。
こんなにいい女だったか、こいつ、、、。
私はまじまじとレイを見つめる。
レイは私の視線に気づき、きょとんとした顔をしてから、 上目遣いに目元を緩め、(何ですか?)というように首を傾げる。
私は、(いや、何でもない、)というように首を振る。
首を振りながらも私の視線はレイの全身を上から下まで眺めて、 何がどうなって彼女のこの雰囲気が醸し出されているのか、 食い入るように見つめその答えを探している。
目元、首筋、胸元、ウエスト、、、。
ああっ、、、!
君はレイ、そうか、あの時、あの夢の、、、 初夜の晩、私が友美さんをレイと思って果てたあの夢の、、、(参照こちら)
レイ、、、!
私の脳裏にあの夢のレイが現れて、
そして目の前のレイと重なって、、、
私は羞恥のあまりレイから顔を背けた、、、
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