J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年06月05日(木)    こんなにいい女だったか、こいつ。

J (2.結婚)

11. 変貌 (4)


くっ。

子どもだとばっかり思っていたのに、
このレイの存在感は何だ、、、。

チラリとレイを横目で見てみる。
ああ、なんと、めちゃめちゃいい女に見える。
もう手が届かない存在なのに、、、。


「工藤さん、さっそくなんですけど、いくつか報告があります。」
「なんだい。」
「ご不在中にちょっとしたミスがあったこととか。いろいろなんですが。」
「うん、じゃさ、始業したら別室でまとめて話を聞こう。
 バラバラ報告されてもオレも理解しにくいし。
 鏑木さんと矢崎にも時間を取ってもらって一緒に聞こう。」
「はい、」

レイの口調は以前と変わりませんでした。
が、やはりどことなく大人びた雰囲気が醸し出されている。

こんなにいい女だったか、こいつ、、、。


私はまじまじとレイを見つめる。

レイは私の視線に気づき、きょとんとした顔をしてから、
上目遣いに目元を緩め、(何ですか?)というように首を傾げる。

私は、(いや、何でもない、)というように首を振る。

首を振りながらも私の視線はレイの全身を上から下まで眺めて、
何がどうなって彼女のこの雰囲気が醸し出されているのか、
食い入るように見つめその答えを探している。

目元、首筋、胸元、ウエスト、、、。


ああっ、、、!

君はレイ、そうか、あの時、あの夢の、、、
初夜の晩、私が友美さんをレイと思って果てたあの夢の、、、(参照こちら

レイ、、、!


私の脳裏にあの夢のレイが現れて、

そして目の前のレイと重なって、、、

私は羞恥のあまりレイから顔を背けた、、、



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