J (2.結婚)
10. 義母 (5)
その晩義母は台所を挟んだ向かいの4畳半に寝ました。
私と友美さんは一応夫婦ですので茶の間の奥の6畳に寝ました。
襖で仕切られた部屋は音がよく聞こえました。(参照こちら)
義母はやることを済ますと割り当てられた4畳半の部屋に入りました。 その部屋は私の机や書棚が置いてあるだけの部屋で、 部屋に入ってもすることはあまりなかったと思います。 義母は部屋の襖を閉めたあと無音になりました。
TVなどを見て過ごしませんか、私は声を掛けました。 なんだかね、疲れてしまって、義母は答えました。 そうですか、いろいろとすみませんでした、おやすすみなさい、 私はそういって茶の間に戻りました。
友美さんは義母に勧められ早めに床に就いていました。 私は所在がなく、かといって自分ばかりTVを見ているのも何なので、 こっそりとウィスキーをゴクンと飲んで横になりました。 ストレートで。
純一さん、もう寝るの?、友美さんが小声で聞きました。 ああ、電気消すよ、おやすみ、そう言って私は灯りを消す。 おやすみなさい、友美さんは小さく言って静かになりました。
目を瞑り私は考える。
この数日といったら何だったのだろう?
結婚式を上げて、新婚旅行に行って、 二日泊まって帰ってきて、そして二日、、、
まだ4〜5日しか経っていないんだ、、、
なんだか随分といろいろあったものだなぁ、、、
結婚式の時はよかったな。 人生最高の幸せの境地にいたもんな。
二次会で嫉妬したな。 なんだか昔のことのように感じるな。
ああ、そして、初夜、、、。
そして切迫流産、か、、、。
こんなことになるなんて、 こんなことになるなんて、 こんなことになるなんて、、、
、、、
|