J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月29日(木)    義母は部屋の襖を閉めたあと無音になりました。

J (2.結婚)

10. 義母 (5)


その晩義母は台所を挟んだ向かいの4畳半に寝ました。

私と友美さんは一応夫婦ですので茶の間の奥の6畳に寝ました。

襖で仕切られた部屋は音がよく聞こえました。(参照こちら



義母はやることを済ますと割り当てられた4畳半の部屋に入りました。
その部屋は私の机や書棚が置いてあるだけの部屋で、
部屋に入ってもすることはあまりなかったと思います。
義母は部屋の襖を閉めたあと無音になりました。

TVなどを見て過ごしませんか、私は声を掛けました。
なんだかね、疲れてしまって、義母は答えました。
そうですか、いろいろとすみませんでした、おやすすみなさい、
私はそういって茶の間に戻りました。


友美さんは義母に勧められ早めに床に就いていました。
私は所在がなく、かといって自分ばかりTVを見ているのも何なので、
こっそりとウィスキーをゴクンと飲んで横になりました。
ストレートで。

純一さん、もう寝るの?、友美さんが小声で聞きました。
ああ、電気消すよ、おやすみ、そう言って私は灯りを消す。
おやすみなさい、友美さんは小さく言って静かになりました。



目を瞑り私は考える。

この数日といったら何だったのだろう?


結婚式を上げて、新婚旅行に行って、
二日泊まって帰ってきて、そして二日、、、

まだ4〜5日しか経っていないんだ、、、


なんだか随分といろいろあったものだなぁ、、、


結婚式の時はよかったな。
人生最高の幸せの境地にいたもんな。

二次会で嫉妬したな。
なんだか昔のことのように感じるな。

ああ、そして、初夜、、、。


そして切迫流産、か、、、。


こんなことになるなんて、
こんなことになるなんて、
こんなことになるなんて、、、


、、、



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