J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月11日(日)    でも。無理させちゃいけないよん。

J (2.結婚)

9. 切迫流産 (6)


ビールを飲み始めた私は昨夜の酔いが戻って、すぐに上機嫌になっていきました。



そうさ、そうさ、
大丈夫さ、楽しくやらなくっちゃ、せっかくの新婚旅行なんだもの。

ふふふん♪

さて、っと今日はどこに友美さんを連れて行ってあげようかなぁ。
予定は未定、だって伊豆なんてどう行こうが心得ているもんネ。

でも。無理させちゃいけないよん。
友美さんのお腹には、なんたって子どもがいるんだもんね。

ふふふん♪っと。


二日酔いに朝風呂、そして迎え酒。調子にのっている愚かな私。
友美さんの気持ちも知らないで。



しばらくして友美さんが風呂から戻ってきました。
私はビール飲んで上機嫌。
部屋に入ってくる友美さんに「よ、お帰り!」と調子よく声を掛けるのです。

友美さんは私の機嫌を損ねちゃいけないと、
精一杯明るく振る舞う、それがまた私の誤解を生む。

(友美さん、やっぱり大丈夫だ、、、)ホッとする私でした。


そうさ、そうさ。

やっぱり友美さんはくたびれているだけさ。
ちょっぴりアルコールが残っていただけさ。


「トモミさん、どう?、僕が言った通りだったでしょう?
 風呂入ったらさっぱりしたでしょう?」
「ええ、とっても、」

そう友美さんは体調の辛さを隠して私に答えたのでした。



これなら大丈夫さ、ちょっとくらい。
僕がちゃんとエスコートしてあげれば大丈夫。

そっだな、大室山に行こう。
あそこならリフトがあるから友美さんも無理することもない。

城ヶ崎はどうかなぁ。
たくさん歩くことになっちゃうからなぁ。

うん、まず大室山に行ってそれから考えよう、、、



しばらくして朝食を取る、
友美さんは食が進みませんでした、

が、私は大して気にも留めずに、
今日の予定を明るく話していたのでした。



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