J (2.結婚)
9. 切迫流産 (6)
ビールを飲み始めた私は昨夜の酔いが戻って、すぐに上機嫌になっていきました。
そうさ、そうさ、 大丈夫さ、楽しくやらなくっちゃ、せっかくの新婚旅行なんだもの。
ふふふん♪
さて、っと今日はどこに友美さんを連れて行ってあげようかなぁ。 予定は未定、だって伊豆なんてどう行こうが心得ているもんネ。
でも。無理させちゃいけないよん。 友美さんのお腹には、なんたって子どもがいるんだもんね。
ふふふん♪っと。
二日酔いに朝風呂、そして迎え酒。調子にのっている愚かな私。 友美さんの気持ちも知らないで。
しばらくして友美さんが風呂から戻ってきました。 私はビール飲んで上機嫌。 部屋に入ってくる友美さんに「よ、お帰り!」と調子よく声を掛けるのです。
友美さんは私の機嫌を損ねちゃいけないと、 精一杯明るく振る舞う、それがまた私の誤解を生む。
(友美さん、やっぱり大丈夫だ、、、)ホッとする私でした。
そうさ、そうさ。
やっぱり友美さんはくたびれているだけさ。 ちょっぴりアルコールが残っていただけさ。
「トモミさん、どう?、僕が言った通りだったでしょう? 風呂入ったらさっぱりしたでしょう?」 「ええ、とっても、」
そう友美さんは体調の辛さを隠して私に答えたのでした。
これなら大丈夫さ、ちょっとくらい。 僕がちゃんとエスコートしてあげれば大丈夫。
そっだな、大室山に行こう。 あそこならリフトがあるから友美さんも無理することもない。
城ヶ崎はどうかなぁ。 たくさん歩くことになっちゃうからなぁ。
うん、まず大室山に行ってそれから考えよう、、、
しばらくして朝食を取る、 友美さんは食が進みませんでした、
が、私は大して気にも留めずに、 今日の予定を明るく話していたのでした。
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