J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月09日(金)    ともかくも友美さんは喜んでくれた。

J (2.結婚)

9. 切迫流産 (4)


私はふらふらと最上階の浴場に向かいました。

朝の風呂場は空いていました。

二日酔いの私は沈むように湯に浸る、、、。



目を閉じて頭まで潜る私。
アルコールを頭から追い出したいかのように。

身体が熱くなると湯から上がり、
冷たい水をかぶり、また湯に潜る。

それを無言で繰り返す私でした。



じきに私の身体はしゃんとしてゆき、
少しは正常な思考ができるようになってきました。


夢の全てはアルコールのせいだ、、、。


私は都合よく、いや、都合のいいように考えることにしました。

ここは悔やむよりも、明るくいいことを考えようと。



  ともかくも友美さんは喜んでくれた。
  ともかくも友美さんとひとつになれた。
  ともかくも友美さんと大切な初夜を全うできたんだ。

  オッケイじゃん。


  あの果てた時のこつんとした違和感は、気のせいさ。
  あんなに酔っていたんだもの、
  それを取り立てて気にするほうがおかしいのさ。(参照こちら

  そうさ、そうさ。


  明け方のあの夢はオレに対するオレ自身の警笛だ。
  友美さんは妊娠しているんだもの、あんなSEXはしちゃいけない。
  そうさ、友美さんを大切にせいよ、っていうおのれの指示さ。(参照こちら

  そうさ、そうさ。



私は努めてことの全てをいいように結論付けて、
よっし、オッケイさ、と一声出して風呂から上がりました。


酔いも少し飛んで、部屋に戻る足取りはしっかりしていました。


部屋に戻ると友美さんはふとんをあげていました、、、。



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