J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月06日(火)    9. 切迫流産

J (2.結婚)

9. 切迫流産 (1)


明け方、私は気色の悪い夢にうなされ目が醒める。

これは、結婚式の翌々日、新婚旅行の二日目の朝のこと。


・・

夢の中で私は赤子を抱いていました。

その子どもは生まれたばかりで可愛い赤子だったのですが、
よく見ると頭に傷がある、そしてその傷口には私の体液がついている、

私は「ごめんね、ごめんね、」と言いながら赤子の頭を洗うのですが、
いくら洗っても私の体液はこびりついて落ちないのです、

そのうちに赤子は「痛いよ、痛いよ、」と泣くのです、
どうしてか言葉を話す赤子の前で私は涙を流しながら謝っている、
「ごめんね、おとうさんが悪かったんだよ、ごめんね、」と、、、。

「痛いよ、痛いよ、」と泣く赤子。

「ごめんね、ごめんね、」と謝る私。



そこへ友美さんがやってきて私に言うのです。
「純一さん、もう赤ちゃんとはお別れなの、」と伏目がちに。

友美さんの両足には彼女の“自身”から流れでた血が滴り落ちていて、
見ると赤子もまた血塗られた顔になっている、、、。

異常なその光景にも関わらず私はただ泣いて謝っている、、、。

赤子は「痛いよ、痛いよ、」と泣いている、、、。

友美さんは私から赤子を受け取り、そして言う、
「いつかきっと、天国で逢えるわ、さようなら、純一さん、」



「待って!、おいていかないで!、もっと、」

そう言いながら、何故か私は裸なのです、何故か!
そして、私は勃起しているのです、何故か!

「あなたの、そのおぞましい性欲が、私たちをこんなにしたのよ、」
「そんな!」

そう言いながら、私は狂気の表情で友美さんを抱こうとする、何故か!

「あっ、嫌!、離して!、」

その時、赤子が私の“猛た棒”にしがみついて私を止める、
「ヤメロ!オトウサン、ヤメロ!、オマエノセイデ、オカアサントボクハ、、、!」

ああ!、

私はその刺激で射精してしまう、何と言うことだ!


血と私の体液にまみれた赤子、
ぐったりと横たわる友美さん、

私はまた、「ごめんよ、ごめんよ、ごめんよ、」と泣き濡れる、、、。



・・

そして、、、私は目が醒めました。

私の横には友美さんがすやすや眠っていました。

私は友美さんの掛け布団を直してやり、そっと額に口付けをしました。


(ごめんね、トモミさん、)


時計の針は5時を指そうとしていました、、、。



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