J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月04日(日)    友美さんは身体の動きをとめて、

J (2.結婚)

8. 酔夢 (10)


私はもう本当にイキそうだったのです。

もうちょっとのことで、そうもうちょっと軽い刺激がハシルだけで、
私は心のうちから身体の隅々まで悦楽感に包まれる、その直前に今あったのです、

友美さんがまた聞いた、「純一さん、イキそう?、」という問いかけに、
イク、もうイクよ、と、私のカラダがそう答えていたのです、、、


なぜかというに、

私の“カラダ”は、イキたい、イキたいと嘶いている、
私の“カラダ”は、全てをこと終えんとして絶頂を迎えようとしている、


友美さんが友美さんであって、レイではなくって、
友美さんのカラダは友美さんのカラダであって、レイではなくって、
だからといっても、もう“私”が萎えてしまうことなどあり得ない、

結局私は夢と現実とが交差する狭間にあって、
友美さんとひとつになりながらレイを感じ、
レイを感じながら友美さんとの想いを遂げる、ことになるのだろうか、、、。


・・・夢うつつの私はそんなふうに頭の中で考えながら、
その最後を迎えようとしていました、、、。


そして、、、

友美さんは身体の動きをとめて、私の果てるのを感じ、
“カラダ”の内側を緩やかに締めて“私”を刺激する、、、



その瞬間、私の頭がカッとしました。
私は自分の“カラダ”を友美さんから抜きました。

イク直前に私は寸でのところでイカズに“私”を抜きました。

私はその時、はっきりと目が醒めたのです、、、。

(目が醒めたように感じたのです、、、。)



ダメだよ!そんなの!

ダメだよ!それじゃ!

私はおもむろに体位を入れ替えました、
私は正常位になって友美さんの顔を見おろして、しっかりと友美さんを見ました。


ダメだよ!それじゃ、トモミさんが可哀想ジャンか!
自分はイッテ、気持ちイイかも知れない、だけど、そんなのダメだ!

レイを感じて、友美さんの中で果てるなんて、ダメだよ!そんなの!

!!!


友美さんはワケが分らず、ぽーっと紅潮した顔のまま私を見上げていました。
私は友美さんに対して申し訳ない思いで溢れてきました。

私は優しく唇にキスをしながら、
「トモミさん、オレ、もう少し頑張ってみる、だから、一緒にイッテね、」
と言って、再び愛撫をし始めたのです、彼女の感じるところを。


・・

今、思い出せば、それも全て酩酊している中での、
異常な私の“行為”であったように思えてきます、


しつこいばかりの性への執着心、


言わば狂気の沙汰。


長い初夜が移ろっていく、、、狂ったように。



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