J (2.結婚)
8. 酔夢 (10)
私はもう本当にイキそうだったのです。
もうちょっとのことで、そうもうちょっと軽い刺激がハシルだけで、 私は心のうちから身体の隅々まで悦楽感に包まれる、その直前に今あったのです、
友美さんがまた聞いた、「純一さん、イキそう?、」という問いかけに、 イク、もうイクよ、と、私のカラダがそう答えていたのです、、、
なぜかというに、
私の“カラダ”は、イキたい、イキたいと嘶いている、 私の“カラダ”は、全てをこと終えんとして絶頂を迎えようとしている、
友美さんが友美さんであって、レイではなくって、 友美さんのカラダは友美さんのカラダであって、レイではなくって、 だからといっても、もう“私”が萎えてしまうことなどあり得ない、
結局私は夢と現実とが交差する狭間にあって、 友美さんとひとつになりながらレイを感じ、 レイを感じながら友美さんとの想いを遂げる、ことになるのだろうか、、、。
・・・夢うつつの私はそんなふうに頭の中で考えながら、 その最後を迎えようとしていました、、、。
そして、、、
友美さんは身体の動きをとめて、私の果てるのを感じ、 “カラダ”の内側を緩やかに締めて“私”を刺激する、、、
その瞬間、私の頭がカッとしました。 私は自分の“カラダ”を友美さんから抜きました。
イク直前に私は寸でのところでイカズに“私”を抜きました。
私はその時、はっきりと目が醒めたのです、、、。
(目が醒めたように感じたのです、、、。)
ダメだよ!そんなの!
ダメだよ!それじゃ!
私はおもむろに体位を入れ替えました、 私は正常位になって友美さんの顔を見おろして、しっかりと友美さんを見ました。
ダメだよ!それじゃ、トモミさんが可哀想ジャンか! 自分はイッテ、気持ちイイかも知れない、だけど、そんなのダメだ!
レイを感じて、友美さんの中で果てるなんて、ダメだよ!そんなの!
!!!
友美さんはワケが分らず、ぽーっと紅潮した顔のまま私を見上げていました。 私は友美さんに対して申し訳ない思いで溢れてきました。
私は優しく唇にキスをしながら、 「トモミさん、オレ、もう少し頑張ってみる、だから、一緒にイッテね、」 と言って、再び愛撫をし始めたのです、彼女の感じるところを。
・・
今、思い出せば、それも全て酩酊している中での、 異常な私の“行為”であったように思えてきます、
しつこいばかりの性への執着心、
言わば狂気の沙汰。
長い初夜が移ろっていく、、、狂ったように。
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