J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年05月02日(金)    そして、、、私は疲れてしまったのです。

J (2.結婚)

8. 酔夢 (8)


そして、、、私は疲れてしまったのです。

狂ったように“カラダ”を上下に動かしているうちに、
私の身体そのものは疲労していきました。

私は次第にハアハアと息を上げてしまい、
やがて、、、私は友美さんの身体の上に突っ伏してしまうのです。


しかし、私の“私自身”は頑強なほどに凛々しいままでした、、、。



友美さんは私が疲れてしまったことをすぐに察したようです。
彼女は私の“私自身”が未だイッテいないことも同時に察しました。

「純一さん、ありがとう、そんなに、、、私を思ってくれて、、、」

そう言って友美さんは身体をずらして私から離れ、
「今度は私が、、、」と言いながらするり私の身体を回り上になりました。



私は過度のアルコールによって朦朧としていたのに加え、
疲労によって全身がぐったりしてしまいました。

夢と現実の間をぐるぐると回る酩酊の世界にいるようでした。

友美さんの様子も自分の様子も朧にしか掴めなくなっていました。


ですから、
普段では決して考えられない女性上位の体位に友美さんがなったことも、
違和感もなくそれが夢の中での出来事の続きかの如く受け入れていくのです。


・・

友美さんは夢の時と同じように私の“私自身”を舌先で愛撫し始めました。

そう、正確に言えば、私にとっては夢の中、
友美さんにとっては現実に為した“私自身”への愛撫なのでしたが。(参照こちら

友美さんは私の“私自身”を優しく舐め上げました。
先ほどと同じように。

両手で優しく包み優しく扱くのでした。
先ほどと同じように。


ただ、先ほどと違うことは、
私の“私自身”はなかなかイキそうにないことでした。

夢の中ではあんなにイキそうになっていた同じ“行為”のなかで、
私は“カラダ”から伝わってくる快感が麻痺していたかのようでした。


私は再び眠ってしまっていたのかもしれません。

夢の中でのことだったのかも知れません。

または夢の中と現実との境でうつろっていたのかも知れません。



しかし、私の“私自身”は頑強なほどに凛々しいままでした、、、。


友美さんは心を尽くして私の“私自身”を愛撫してくれました。
夢の中での出来事のように。

両手で優しく包み優しく扱くのでした。
夢の中での出来事のように。


そして、、、

少しして友美さんは顔を上げて、

「純一さん、イキそう?、」と小さな声で私に聞きました。


私は、「、、、うん、」と申し訳なさそうな声で答えました。


どうしてか、そう答えました。

どうしてか、、、。



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