J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月24日(木)    友美さんは、、、吐瀉しました。

J (2.結婚)

7. 初夜 (17)


私は友美さんの身体から自分の身体を離しました。
今もうまさにそういう状態にある“私自身”はギンギンしていました。
友美さんはうつろな目で私を追い、そして言いました。

純一さん、して、お願い、私大丈夫よ、

「そんなこと言ったって、」

ね、お願い、、、


と、そう言った途端友美さんは口を押さえ、、、。
そして、、、
苦しそうに起き上がり、ふらふらとトイレに向かおうとする。
呆然と見ていた私もその姿にはっとして、
「おい、大丈夫か、」と言いながら友美さんを支えて一緒にトイレに。



友美さんは、、、吐瀉しました。

私は、、、

彼女の背中を擦りながら、なんとも言い難い虚脱感に襲われていました、、、。


・・


すっかり胃の中のものを吐くと友美さんは幾分すっきりしたように見えました。
私は彼女に浴衣を羽織らせ、口に水を含ませて、横になるように言いました。

友美さんは言われるままにふとんの中に入り、
叱られた子供のような顔で私の次の言葉を待っている。

私は「今夜はもうおやすみ、」とだけ言いました。


、、、純一さんは?

、、オレは、もう一度飲み直す。

、、、もう随分飲んでるのに?

、、うん、飲まないと、(寝られないだろうに、このままじゃ、)

、、、


私は友美さんの顔をふとんで覆い、
「もう、寝ろ、な、」と言い話を止めました。


・・


一人で水割りを作って飲む私。
ふとんを被せられどうしていいのか分からずにじっとしている友美さん。

時計の針の音だけが聞こえる部屋。



私の頭の中では昨日の結婚式から今までの出来事がぐるぐる回っている。

、、、そう言えば昨夜も随分と飲んだなぁ、、、

、、、オレ、吐いてまで飲んだんだったよなぁ、、、(参照こちら


酩酊している私は前後が朦朧となりながら、
ひとりぶつくさ言いながらいい加減にウィスキーをがぶ飲みして。


、、、う〜、そうだった、あいつ、あのおとこ、くっそ、、、ぉ、


私はこの時にまた思い出してしまう、
友美さんを呼び捨てにしたあの男のことを。(参照こちら


、、、なんということだ!

、、、この期に及んで、最後の最後にジェラシーが私の心を被うなんて、、、!


・・

もう私の心の中はぐちゃぐちゃでした。
アルコールでぐらぐらになり、心の中はジェラシー、
努力の甲斐もなくひとつになれなかった虚脱感。


ごろん、と寝転んで。
ふう〜、と一息吐いて。
私は私のふとんに潜り込みました。


、、、寝てしまおう、これで今夜はジエンドだ。


私はガバッとふとんを頭から被って眠りにつく。


友美さんには一声も掛けずに、、、。



(7.初夜、の項 終わり)


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