J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月25日(金)    8. 酔夢 

J (2.結婚)

8. 酔夢 (1)


私は友美さんの傍らで前後不覚に眠ってしまったのです。
酩酊の上にまたウィスキーをがぶ飲みして朦朧としたまま横になり、
ふとんを被ったと同時に私は深い昏睡へと落ちたのでした。


・・・そして私は昏睡の中で夢を見る。


酔夢、、、


・・


 (、、、これは夢だ、)

  お前は誰だ?
  朧げに見える、、、ぐるぐる回る、、、
  、、、長谷部健二?か?

   ・ソウ、オレハハセベケンジ、お前は誰だ・

  俺は工藤、クドウジュンイチ、ちっ、
  、、、なんなんだ!お前にお前なんて言われる由縁はないぞ、
  あぁっ、そのセーターは、

   ・そうさ、これは友美に編んでもらったセーターさ・
   ・オレハお前より友美のことをよく知っている・
   ・オレハ友美と付き合っていた・

  トモミさんを呼び捨てにするな!気安く呼ぶな!こら、てめぇ!

   ・ははははは、満足にセックスもできないくせに、イキガルナ、クドウ!・

  くっ!そぉ〜、

   ・オレハお前より友美と深い関係にあった・
   ・お前はオレノ彼女を横取りにした・

  違う、トモミさんはオレが初めてだった、
  お前なんかより俺のほうが好きだから、だから俺と結婚したんじゃないか!

   ・友美に聞いたことがあるのか、オレよりもお前のほうが好きかと?・

  、、、。


 (、、、これは夢だ、) 
  

  あ、トモミさん、いいところに、あのさ、君は俺のことが好きなんだよね、
  だから、俺と結婚してくれたんだよね、
  ハセベケンジとは何の関係もないんだよね、

   ・ごめんなさい、純一さん、私、あなたに妊娠させられたから・
   ・だから責任取って貰うよりなかったの、それで結婚したのよ・
   ・本当はケンジが好き、一番好き、誰よりも好き、あなたよりずっと・

  うそだ!

   ・ホントなの・
   ・私の初恋はケンジ、初めて付き合ったのもケンジ・
   ・初めてキスをしたのも、、、ケンジ・

  うそだ!

   ・ホントなの・
   ・ゴメンナサイね、純一さん、これでお別れ・
   ・私はやっぱりケンジを選ぶわ・
   ・あなたとはこれっきり、さようなら・

  トモミさん、何言っているんだよ、
  あ、どこにいくの?待って、待てったら!

   ・さようなら、純一さん、さようなら・・・


  待って、待ってよぉ、俺どうなっちゃうんだよぉ、、、、
  
  
  トモミさぁん!ト、トモミィィィィ...!


 (、、、これは夢だ!)




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