J (2.結婚)
8. 酔夢 (1)
私は友美さんの傍らで前後不覚に眠ってしまったのです。 酩酊の上にまたウィスキーをがぶ飲みして朦朧としたまま横になり、 ふとんを被ったと同時に私は深い昏睡へと落ちたのでした。
・・・そして私は昏睡の中で夢を見る。
酔夢、、、
・・
(、、、これは夢だ、)
お前は誰だ? 朧げに見える、、、ぐるぐる回る、、、 、、、長谷部健二?か?
・ソウ、オレハハセベケンジ、お前は誰だ・
俺は工藤、クドウジュンイチ、ちっ、 、、、なんなんだ!お前にお前なんて言われる由縁はないぞ、 あぁっ、そのセーターは、
・そうさ、これは友美に編んでもらったセーターさ・ ・オレハお前より友美のことをよく知っている・ ・オレハ友美と付き合っていた・
トモミさんを呼び捨てにするな!気安く呼ぶな!こら、てめぇ!
・ははははは、満足にセックスもできないくせに、イキガルナ、クドウ!・
くっ!そぉ〜、
・オレハお前より友美と深い関係にあった・ ・お前はオレノ彼女を横取りにした・
違う、トモミさんはオレが初めてだった、 お前なんかより俺のほうが好きだから、だから俺と結婚したんじゃないか!
・友美に聞いたことがあるのか、オレよりもお前のほうが好きかと?・
、、、。
(、、、これは夢だ、)
あ、トモミさん、いいところに、あのさ、君は俺のことが好きなんだよね、 だから、俺と結婚してくれたんだよね、 ハセベケンジとは何の関係もないんだよね、
・ごめんなさい、純一さん、私、あなたに妊娠させられたから・ ・だから責任取って貰うよりなかったの、それで結婚したのよ・ ・本当はケンジが好き、一番好き、誰よりも好き、あなたよりずっと・
うそだ!
・ホントなの・ ・私の初恋はケンジ、初めて付き合ったのもケンジ・ ・初めてキスをしたのも、、、ケンジ・
うそだ!
・ホントなの・ ・ゴメンナサイね、純一さん、これでお別れ・ ・私はやっぱりケンジを選ぶわ・ ・あなたとはこれっきり、さようなら・
トモミさん、何言っているんだよ、 あ、どこにいくの?待って、待てったら!
・さようなら、純一さん、さようなら・・・
待って、待ってよぉ、俺どうなっちゃうんだよぉ、、、、 トモミさぁん!ト、トモミィィィィ...!
(、、、これは夢だ!)
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