J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月21日(月)    湯上りの友美さんは艶っぽくて、

J (2.結婚)

7. 初夜 (14)


湯から上がり、待ち合わせ場所のソファーでしばし待つ私。
タバコを燻らしていると友美さんも上がってきました。

ホカホカして、にこやかに、、、。


「お待たせ、純一さん、」

「いや、ぜんぜん、」、、、。

私は友美さんにつられてにこやかに答えました。



「身体も温まったところで、少し飲みなおそうか、」

「え?、また飲むの、」

「うん、喉渇いちゃったしさ、それに、」

「それに?、」

「それに、夜はまだ長い、バーにでも行ってふたりの夜を楽しもうよ。」

「うん、、、、いいわ、」

友美さんは私とならば何をしてても楽しいのよ、とそんな表情でした。


私は友美さんに、
酔えば、きっと君とひとつになれるからねと、
心の中で手を合わせ誓いをたてるのでした。

酔って、肉欲の本能に己を委ねれば、きっと、、、と。


・・


バーは一階のロビーの脇にありました。

と言っても都会にあるようなシャレたバーではありません。

みやげ物やのとなりにある、昼はコーヒーショップとして営業している、
温泉旅館によくあるようなカウンター・バーでした。

私は一見してこれは色気が無いと思い、
寿司でもつまみに表に出ようかとも考えましたが、
あいにく私たちは湯上りで浴衣姿の着の身着のまま、
タオルをぶら下げての外出もこの時間からでは不自然なので、
仕方なくこのカウンター・バーに席をとりました。

友美さんはさして気にすることもなかったのでよかったです。


私はビールを頼んで、君も少しだけ付き合えよ、
とグラスをふたつ貰い友美さんにも勧めました。

先ほど食事の時にはやっと一杯のビールで酔ってしまった友美さんですが、
湯上りの友美さんは喉が渇いていたのでしょう、
グラスのビールをコクコクと飲んで、珍しく「おいしいわ、」と言いました。


私は酔いがかなり回ってきていましたので、
ビールをぐいっと飲んで、ウイスキーを飲み始めると、
いい加減に酔っぱらったようになったものでした。


酔って楽しげに会話するふたり、でした。

結婚までの思い出話、今日のエピソードや明日の行程、
ふたりで始める新生活、これからの楽しい生活の話、

そのうちに、、、

ちょっとエッチな話、努めてそういう話をする私、

湯上りの友美さんは艶っぽくて、
酔った私に性的魅力を感じさせるに十分で、

そして、


私の深層心理は麻痺してきた、

これなら友美さんを満足に抱ける、

そう思えてきた頃に、、、


友美さんは気分が悪くなってしまった、、、


飲めない酒を無理して飲んだがために、、、。



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