J (2.結婚)
7. 初夜 (8)
テーブルに並べられた料理は食べきれない量でした。
もともと私はアルコールが入ると殆ど食べませんし、
友美さんもどちらかと言えば少食のほうでしたので。
「じゃ、カンパイ、」
テーブルを挟んで向き合ってビールを注しつ注されつ。
アルコールの駄目な友美さんもこの時ばかりは少しだけ、 コップ一杯でほんのり赤くなり酔ったように見えました。
私はと言えば、2本のビールを暫くの間に飲み干して、 どうしますかという友美さんの問いに、 じゃぁウィスキーでもと、氷と水を頼み水割りを作って飲みました。
結婚第一日目、新婚旅行の初めての夜、ふたりっきりで水入らず。
何も書くことはありません。
静かに時は流れました、、、。
・・
食事が済んで私たちは散歩に出ました。
浴衣姿で。
私は水割りを結局5杯飲んで上機嫌に酔っ払い、 友美さんもたった一杯のビールでほんのり酔って上機嫌。
「どこにいくの、純一さん?」
「そりゃぁ、温泉っていったら射的じゃんか、」
「射的?、」
「そうさ、これが男同士だったらストリップ、」
「ストリップ?、、、ま、イヤラシイ、」と頬を膨らませる友美さん。
「あ、チガウチガウ、イヤラシイんじゃないの、温泉っていったら、 そういう決まり事っていうのかなぁ、ストリップを見なきゃ始まらない、 昔っからそうなっているんだって、僕が決めたわけじゃない、」
「ふ〜ん、そうなんだ、」
、、何事も私の言うことは素直に受け入れる友美さんでした。
・・
私たちは射的で遊んだ後、海岸まで足をのばし、
そして、
湯上りの身体が少し冷たく感じた頃に旅館へと戻ったのです。
部屋には既にふとんが並んで敷かれていました、、、。
ぴったりと。
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