J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月14日(月)    「どこにいくの、純一さん?」

J (2.結婚)

7. 初夜 (8)


テーブルに並べられた料理は食べきれない量でした。

もともと私はアルコールが入ると殆ど食べませんし、

友美さんもどちらかと言えば少食のほうでしたので。



「じゃ、カンパイ、」


テーブルを挟んで向き合ってビールを注しつ注されつ。

アルコールの駄目な友美さんもこの時ばかりは少しだけ、
コップ一杯でほんのり赤くなり酔ったように見えました。

私はと言えば、2本のビールを暫くの間に飲み干して、
どうしますかという友美さんの問いに、
じゃぁウィスキーでもと、氷と水を頼み水割りを作って飲みました。


結婚第一日目、新婚旅行の初めての夜、ふたりっきりで水入らず。



何も書くことはありません。

静かに時は流れました、、、。


・・


食事が済んで私たちは散歩に出ました。

浴衣姿で。


私は水割りを結局5杯飲んで上機嫌に酔っ払い、
友美さんもたった一杯のビールでほんのり酔って上機嫌。

「どこにいくの、純一さん?」

「そりゃぁ、温泉っていったら射的じゃんか、」

「射的?、」

「そうさ、これが男同士だったらストリップ、」

「ストリップ?、、、ま、イヤラシイ、」と頬を膨らませる友美さん。

「あ、チガウチガウ、イヤラシイんじゃないの、温泉っていったら、
 そういう決まり事っていうのかなぁ、ストリップを見なきゃ始まらない、
 昔っからそうなっているんだって、僕が決めたわけじゃない、」

「ふ〜ん、そうなんだ、」

、、何事も私の言うことは素直に受け入れる友美さんでした。


・・


私たちは射的で遊んだ後、海岸まで足をのばし、

そして、

湯上りの身体が少し冷たく感じた頃に旅館へと戻ったのです。



部屋には既にふとんが並んで敷かれていました、、、。


ぴったりと。



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