J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月12日(土)    私は友美さんの髪を洗ってあげました。そして身体も。

J (2.結婚)

7. 初夜 (6)


湯船にふたりで浸かる。

並んで。

肩触れ合って。



岩風呂風の家族風呂、生まれたままの姿でふたりきり、、、



僕は友美さんを見ずに上を向いている。
友美さんも僕を見ずに前を見ている。

浴室内は薄ら暗くって、、、

僕は、

湯を両手で掬い顔をザバンと洗い、そして友美さんに話し掛ける、



、、ねえ、トモミさん、生まれてからこれまでに何回泣いた?

、、、どういうこと?

、、えっとね、赤ちゃんのころの話じゃないよ、
 人知れず涙するっていうのかなぁ、ひとりで泣いたこと、ある?

、、、うん、一度や二度はあるけど、、、

、、そっか、

、、、なんで?

、、これからは一人で泣くことはないよ、僕がいる、

、、、うん、

、、嬉しい時も、悲しい時も、だ、

、、、うん、ありがと、



、、身体の調子はどう?

、、、大丈夫、

、、無理するなよ、君の身体は君だけのものじゃないんだから、ネ、

、、、分かってる、



、、トモミさん、



そう言って私は友美さんの唇にキスをしました。

友美さんは目を閉じました。

長いキスです。


でもね、お風呂のお湯は熱くって、キスもほどほどにして上がりました。



私は友美さんの髪を洗ってあげました。

そして身体も。

友美さんも私の髪を洗ってくれました。

そして身体も。


ふたりは互いに身体を洗いあってとっても豊かな気分になりました。

もちろん、私の身体は反応していました。

そそり立つように。


友美さんの身体も反応していました。

しっとりと。


お互いにそのことを確認して認め合い、そして、、、


へへ、エッチはなし、です。

友美さんはやっぱり、「夜に、おふとんで」と言うものですから、、、



++


しかし、、、

今思い出せばあの時あの風呂の中でひとつになっていれば、

その後の苦労はなかった、はずです。

あとの祭りですが。



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)