J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月09日(水)    私と友美さんは二人で入浴したことがありませんでした。

J (2.結婚)

7. 初夜 (3)


私たちは連れ添って廊下を歩きます。

私たちは連れ添ってエレベーターを待ちます。

私たちは連れ添ってエレベーターに乗り、最上階にある大浴場に向かいました。



歩きながら私は友美さんに話し掛けます。

「露天風呂っていっても形ばかりのものかもね、」

「でもいいの、私、あまり旅行したことないでしょう?、
 どんなのかなって思うだけでわくわくするわ、楽しみ、♪」


ちょっとのことで感動する友美さんです。

「じゃさ、あした河津に立ち寄ろうか、そこに海を一望できる露天風呂がある、
 確か、、、そう、早く行けば朝日が昇るのが見える、そうする?」

「ええ、でも、明日はゆっくりした方が、純一さん、辛くない?」

「大丈夫だよ、、、でも、やっぱり今度にしよっか、
 何も新婚旅行であくせく動き回ることもないしな。」

「うん、」

「またいつだって旅行はできる、いつだってね。」

「うん、」


・・

もうすぐ大浴場というところで、私の目にふとある表示が目に入りました。


その表示は、“家族風呂”、と書いてありました。


どうする? 


、、、思案する私です。


私と友美さんは二人で入浴したことがありませんでした。
友美さんは私の前で裸体を露にするのを好みませんでした。
身体に問題があるからではありません。

ただ、恥ずかしい、それだけの理由でした。

私とても別に友美さんと一緒に風呂に入る、
そんなことに執着心をこれっぽっちも持っていませんでしたので、
これまでもそれならそれで、と無理に勧める事はありませんでした。


ベットでも友美さんは必ず「灯りを消して、」と言います。

私は彼女をいつでも尊重しました。

そんな私と友美さんでした、、、。



しかし今日は新婚旅行の初日、

そして私たちはもうすぐその時を迎えるのです。

結婚して初めての身体の交わり。

初夜を、、、。


私は“私自身”を力づける為に、

こうした刺激も必要かなと思案したのです。



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