J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年04月07日(月)    7. 初夜 

J (2.結婚)

7. 初夜 (1)


結婚して初めての身体の交わり。

そのことに対して友美さんは大切にしたいと考えていました。

いつもとは違う、そう、ひとつの儀式のように捉えてたのでしょうか。


朝方、昨夜のアルコールが大いに残っている私が、
ジェラシーから異常な心持ちになり彼女を抱こうとした時、
彼女はきつい態度で私を拒んで「夜に、」と言ったのでした。(参照こちら


そして私たちは今まさにその時を迎えようとしている。

初夜を、、、。


私には不安がありました。

私の身体はものになるだろうか?


私は確かに今朝もジェラシーから欲情したのです。
しかし実際に事が進んだ場合、はたしてきちんと結合できたかどうか、
そう考えると不安を覚えるのでした。

私の“私自身”は友美さんの妊娠を知ったその日より、
友美さんに対して満足な男になることがなかったのです。


自分にはこう言い聞かせていました。
妊娠して2〜3ヶ月は、妊婦にとって非常に不安定な時期でもあります。
だから、自分は友美さんのためにそうした欲望を抑えているのだと。

彼女のために、深層心理が働いて、そして身体が自己制御している、
そんなふうに私は自分に言い訳をしていたのです。


そして私たちはもうすぐその時を迎えるのです。

結婚して初めての身体の交わり。

初夜を、、、。


・・

私の運転する車は熱海市内の温泉旅館に着きました。

そこは近代的な建物でした、しかし由緒ある旅館であるようでした。

入口で番頭さんが立っていました。



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