J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月08日(土)    何でオレがあんなオトコに妬きもちを妬かにゃならんのですか!

J (2.結婚)

4. 二次会 (13)


その一言は私の心の中のジェラシーに、カチっと火を点けました。

が、私はその感情を押し殺し表面には出しませんでした。


何でかって?

何でオレがあんなオトコに妬きもちを妬かにゃならんのですか!

、、、そういうことです。


私は工藤純一ですよ。
友美さんと結婚したばかりの、幸せの絶頂にある、クドウジュンイチ、ですよ。
何で妬きもちを妬かにゃならんのですか。

仮にあのオトコ、友美さんを呼び捨てにしたあのオトコが、
友美さんに対して恋愛の情を持っていたとしても、
あのオトコこそが私に対して妬きもちを妬くのならいざ知らず、
何で私があのオトコに妬きもちを妬かにゃならんのですか、、、!


しかし。

そう思えば思うほど、心は己の意思とは別の感情に揺れ動く。

私は確かにその時熱いジェラシーに心が妬けていた。


、、、。

「純一さん、見て、ケンジだわ、大丈夫かしら、」

「う〜ん、と、ああ、安田と一緒ジャンか、無理かもな。」

「そうよね、安田さん、お酒強いから。、、、。あら、始まったわ。」

「おおっ、、、」

「ああっ、スゴイ、ケンジ、ね、純一さん、」

あのオトコ、長谷部健二は息も付かず大ジョッキを飲み込む。
ぐいぐい、飲み込んでいる。
他を圧倒する早さ。
(ち、安田、何やってんだよ、、、。)


レイが友美さんに話し掛けました。
「友美センパイ、お知り合いなんですか?」

友美さんはステージに囚われながら答えました。
「そうなの、幼なじみ、あ、ケンジ、勝っちゃった、、、」

レイは私をチラっと見てから言いました。
「落ち着いた優しそうな人なのに、すごいですね、」

友美さんが答えました。
「頼りないのよ、あいつ、気がやさしいだけ、、、フフッ、
 でも見かけによらないものね、安田さんに勝っちゃうなんて、」


友美さんは自分が勝ったように嬉しそうに話してる、、、。
レイも楽しそうにその話に相槌を打っている、、、。

くっ。


「何、大したことない、オレがその実力を見せてやる、」

私はそう言い切ってスタスタとステージに向かいました。

、、、。


はい、こんなくだらんことで張り合う馬鹿なオトコの物語、始まりです。

ホント、オトコって奴は、、、。



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