J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月07日(金)    そして、、、あのオトコがステージに上がったのです。

J (2.結婚)

4. 二次会 (12)


中央の仮設ステージでビールの一気呑み大会が始まりました。

私の学生時代の友人達が続々と名乗りを上げました。
5人づつ一気呑みをして、一番の人のみ決勝へ進めます。
ビールの大ジョッキですからよっぽど自信がないと勝てません。


その時私と友美さんは丁度会社の仲間の席にいました。

鏑木さんや矢崎など酒に自信を持ったツワモノ揃いの私の会社の連中も、
我先にとステージあがりました。

そのためテーブルには私と友美さんと、その他数人が残りました。

レイ、も。


私はこの時もレイに何も感じませんでした。

レイと顔を合わせても何も感じない。
もうすっかり私はレイへの恋愛の情を封印できていました、この時は。


レイは私に、
「工藤さんは参加されないんですか?」と聞きました。

私は、「今回はパス、主役がこれ以上酔っ払っちゃうとマズイっしょ、」
と友美さんを見ながら答えました。

私はかなり酔ってはいました。
しかしまだまだしっかりしている、そのつもりでした。
ですから別に参加してもよかったのですが、どうしてか参加しませんでした。


私は楽しげに振舞っていたかったのかもしれません。

レイの前で。

友美さんとの結婚を。


ステージでは一気呑み大会が続いていました。
ワーワー歓声が上がっていました。
私達もステージに注視して声援を送りました。

「ガンバレ!、」とか、「行け!」とか、、、。



そして、、、


あのオトコがステージに上がったのです。

友美さんを呼び捨てにしたあのオトコが。



友美さんは私の心中を知らず私に話し掛けました。

「純一さん、見て、ケンジだわ、大丈夫かしら、」



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