J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年03月06日(木)    このオレが甘ったるくオンナから呼び捨てにされるなんて、、、

J (2.結婚)

4. 二次会 (11)


私は呼び捨てで呼び合う二人が羨ましかったのかもしれません。

それで妬きもちをやいた、、、。


(トモミ、)
、、、私は心の中で友美さんを呼び捨てで呼んでみました。

「トモミ、」
、、、今度は声を出して呼んでみました。

友美さんは怪訝そうに聞き返しました。「何?、純一さん。」
「何でもない、ちょっと呼んでみたかっただけだよ。」
「変なの〜。」


私は友美さんに初めて呼び捨てで呼んでみたのに、
友美さんは別段の違和感もなく返事をしました。

これからは呼び捨てで呼び合おうかな?

どうしよっかな?


いや、やめた。
動機が忌々しい。
あの男を羨んでそういうことをするなんて真っ平御免だ。

一生呼び捨てでなんか呼んでやるものか。

まして、、、
このオレが甘ったるくオンナから呼び捨てにされるなんて、、、

考えただけでも鳥肌が立つぜ。



幹事の都築が私たちに話し掛けてきました。
「純、そろそろ祝いの余興みたいなことをやろうと思うんだが、いいかな?」

「ああ、大分盛り上がっているようだし、、、任せるよ、」と私。

「じゃさ、純と友美ちゃんはみんなのテーブルを回ってくれないかな。
 ここをステージにするからさ、」と都築。

私と友美さんは中央の正面に座っていました。

私は「オッケイ、じゃ、よろしくな、」と言い、
友美さんを促し席を立ち二人一緒にテーブルを回り始めました。


ギュウギュウに押し込まれた二次会の会場内。
誰がどう座っているのか最初はまとまりがありませんでしたが、
その頃にはなんとなく知り合い同士でかたまりが作られつつありました。

私と友美さんはそれぞれの友人のテーブルに行き、それぞれに紹介し合い、
写真を撮ったり、ジョークを言ったり、酒を注いだり注がれたり、
和気あいあいに歓談しました。


私はかなり酔っていました。

しかし、

まだまだ大丈夫、しっかりしていました。


中央のステージでは余興の出し物が続いていました。
スピーチあり、歌あり、手品あり、、、。
その都度、私と友美さんはステージに引っ張り出され参加させられました。


私はかなり酔っていました。

しかし、

まだまだ大丈夫、しっかりしている、そのつもりでした、、、。



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この物語はフィクションです。

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