J (2.結婚)
4. 二次会 (6)
人のやさしそうな男でした。
学生か、それとも社会に出て日の浅い、それ位に見えました。
私は一瞥して、大したことない奴だな、と判断しました。
しかし、この男、友美さんを呼び捨てにした、、、。
私は私で、私の友人が話し掛けてくるので、 友美さんとその男の話に加わることができなくいました。 ただ耳はそちらに向いていました。
男は言いました。 「トモミ、結婚おめでとう、よかったね、」と。
友美さんは嬉しそうに答えました。 「あ、ケンジ、来てくれたんだァ、ありがとゥ、でも、どうして?、」 男もにこやかに答えました。 「うん、トモミのお母さんに聞いてね、で、さっちゃん達に聞いて、」 「そうなんだ、」と友美さん。 「そうそう、」とその男。
息がピッタリ合っている、、、
ケンジ!?、なんなんだ、こいつ!?、
ケンジという男は友美さんを呼び捨てにしている、 友美さんもこの男をケンジと呼び捨てにしてる、
どういう関係なんだ?、このふたり。
オレダッテ、トモミサンヲ、ヨビステニシタコトナド、ナイノニ。
私は横目でちらっとふたりを見ました。
友美さんとケンジという男は私のほうを見ずに話してる。にこやかに。
私はたまらず聞きました。 でも、ふたりが呼び捨てで呼び合っていることなど全く気にもしない振りをして。
「トモミさん、誰?、紹介して?」 「あ、純一さん、ゴメンナサイ、私の小学校時代の同級生なの、 長谷部健二君、家も近くって幼なじみなのよ、」 「クドウサン、ですね、初めまして、ハセベっていいます、」 「あ、そうなんだ、よろしくね、そっか、幼なじみかぁ、」
私はまじまじとふたりを見比べました。
幼なじみか。ならば呼び捨ても納得できる。
だけどなんでワザワザこいつはオレたちの結婚式の二次会に来たんだ?
ワザワザ、。
誘ってもいないのに、。
話はそこで途切れ、、、
私はまた私の友人に酒を勧められその友人との会話に戻る。 友美さんと長谷部健二はまたにこやかにふたりで話をし始める。
私には、「トモミ、」「ケンジ、」と呼び合う声だけが耳に響く。
私の頭の中はぐるぐると回る。
なんだ?なんだ?なんだ?
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