J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月22日(土)    友美さんを呼び捨てにする男。

J (2.結婚)

4. 二次会 (5)


私は幸せの絶頂にいた、

となりには結婚したばかりの妻友美さん、

周りには私たちを祝福してくれる大勢の人々、


私は幸せの絶頂にいた、

私はこれからの自分に輝きを感じていた、

私は友美さんを愛し守り大切にし、生まれてくる子どもに希望を与え、

ここにいる全ての人々と共に将来に向かって生きて行く、


なんと幸せな時、

なんと満ち足りた時、

なんと嬉しいこのひとときであろう、オレよ!


オレよ、この幸せを噛み締めて忘れるな。

オレよ、この満ち足りたひとときを感謝をもって受け止めよ。

オレよ!、オレよ!、オレよ!、、、


私は幸せの絶頂の中で私自身に対しこうして連呼していました。



鏑木さんたちのあとも一気飲みは続きました。
私は昼の披露宴からかなりの量のアルコールを飲んでいました。
しかし、いくら飲んでも大丈夫でした。
いくらでも飲めました。
誰が誰やら分からないくらいに次から次へと酒を勧められ、
次から次へと飲んでいる私でした。

みな口々にお祝いの言葉やら、思い出話やら、話し掛けてくれました。
私はいちいちにお礼の言葉を返し、そして酒を飲みました。


そして。

ひとりの男が私と友美さんの前に立ちました。



その男は、、、


私をチラリとも見ずに、友美さんに話し掛けました。

「友美、、結婚おめでとう、よかったね、、、」



私には初めて見る顔、でした。


私の妻、友美さんを呼び捨てにする、この男。

何者?


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この物語はフィクションです。

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