J (2.結婚)
4. 二次会 (4)
二次会は始まりしばらくは歓談の時間。
この時私はあの男と出会う。
私はこの時の印象を忘れ得ない。
この会場にいる全ての人々が私と友美さんを祝福してくれている。
友美さんはキラキラ顔を輝かせ喜びに溢れている。
私たちは幸せの絶頂にいる。
友人たちが次から次へと私と友美さんのところへやって来て、 祝福の言葉を言いながらビールやら酒やらを注いで行く。
会社の同僚、小さい頃からの友人、知人、懐かしい顔、見飽きた顔、、、 友美さんの友人、はじめてあった人々、これからよろしくと声かけて、、、
あまりの人の多さに私たちの席のまわりはごった返していました。
私のセクションのみんなも来てくれました。
鏑木さん、矢崎、宮川、、、そして、レイ、も。
私は鏑木さんたちにいきなりビールの一気飲みをさせられました。 その間にレイは友美さんに花束を渡し、 にこやかに「おめでとうございます、」と友美さんに言葉をかけました。 友美さんは、 「わ、キレイね、ありがとう、これドライフラワーにして大事にするわ、」 と嬉しそうに話していました。
私は横から、「レイチャン、ありがとう、」とだけ言いました。 鏑木さんが「ガハハ、飲め、飲め、」と盛んに煽るので、 結局その時はそれ以上の話はできなかったのでした。
ただし、 レイと私はもう終わったことですし、 いや、終わるも何も、始まってもいなかったわけですし、 私はその時は何も感じませんでした。
レイと顔を合わせても何も感じない。 もうすっかり私はレイへの恋愛の情を封印できていたのです。
その時は、
私は幸せの絶頂にいた、
それが私の心のうちで何よりも勝っていた、
そういう時だったのです。
そこへ、あの男が現れる、、、のです。
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