J (2.結婚)
4. 二次会 (3)
一呼吸おいて幹事がマイクを持ちました。
「ええと、有り難うゴザイマシタ。人前でよくやるな、って感じですが、、、 ま、いいでしょう、とりあえず新郎新婦はそこに座って、そう、、、うん。 、、、では、さっそく乾杯します、みなさん、準備はいいですか?、、 え?、なんですか?、、、あ、そうすね、私は何者か、言わなくちゃ、ね。 えっと、私は新郎純一君の小学校時代からの友人で都築って言います。 小学校、中学校と一緒で、高校は違うんですけれど、 バンドなんかを一緒にやってまして、あ、あとで披露しますからね、 で、そんなわけで、純一君のことは裏も表も何でも知っている奴です。 な、純、ヒミツ、バラシチャオウカナ、、、な〜んて、ウソですよん。 純は本当に真っ直ぐな奴です、オレが保証する、友美ちゃん、信じていいよ。 え?、話が長いって?、そうっすねぇ、ゴメンナサイ、では、みなさん、 とと、誰か乾杯の音頭をとってもらわなくっちゃ、えっと〜、」
私はちょこっと幹事の都築に耳打ちしました。
「了解、では、新郎純一君のご指名ですのでよろしくお願いいたします。 ○×会社部長の部長さん、よろしくお願いしまッす、」
部長は「なんだよ、こんな席でもおれか、」とか言いながら、 ニコニコして出てきてくれました。でも、かなり酔ってるゾ。
「え、新郎のご指名でありますので、はなはだ僭越ではありますが、 ひとこと!、新郎新婦になりかわり、ご挨拶をさせていただきます、」
、、、って、部長、挨拶はいいんですって、乾杯、乾杯の音頭ですよ〜。
長々とした挨拶、ブ〜イングだぞ、これは。
「とまあ、ふたりはそういうわけで結ばれたのでして、私としても、、、」
、、、部長!、部長!、それくらいでいいっすよ〜。
「つまり、工藤君は我が社のホープでして、あ〜、将来を嘱望される、、、」
、、、あちゃ〜、完全に自分の世界に入ってるゾ。
「、、、ということです、工藤君、ガンバレよ、これでアイサツおわり!、」
幹事、やっと終わったかという声で、部長に声をかけます。
「すみません、ありがとうございました、で、乾杯の音頭は、?、」
「おお、そうだった、それではみなさん、グラスをお持ちください、」
ザワザワザワ、準備オッケイです。 部長、さすがに堂の入った調子で声高らかに、、、
「純一君、友美さん、おふたりの結婚を祝ってカンパイ!」
カンパイ!
ヒャッホウ〜。
コングラッチュレイション。
みな口々にその場に合わせた掛け声を上げて。
、、、
ふ〜、やっと、始まった、、、そんな感じでしたね。
また、延々と飲むんです、
よく飲むね、このJの話。
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