J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月20日(木)    また、延々と飲むんです、

J (2.結婚)

4. 二次会 (3)


一呼吸おいて幹事がマイクを持ちました。

「ええと、有り難うゴザイマシタ。人前でよくやるな、って感じですが、、、
 ま、いいでしょう、とりあえず新郎新婦はそこに座って、そう、、、うん。
 、、、では、さっそく乾杯します、みなさん、準備はいいですか?、、
 え?、なんですか?、、、あ、そうすね、私は何者か、言わなくちゃ、ね。
 えっと、私は新郎純一君の小学校時代からの友人で都築って言います。
 小学校、中学校と一緒で、高校は違うんですけれど、
 バンドなんかを一緒にやってまして、あ、あとで披露しますからね、
 で、そんなわけで、純一君のことは裏も表も何でも知っている奴です。
 な、純、ヒミツ、バラシチャオウカナ、、、な〜んて、ウソですよん。
 純は本当に真っ直ぐな奴です、オレが保証する、友美ちゃん、信じていいよ。
 え?、話が長いって?、そうっすねぇ、ゴメンナサイ、では、みなさん、
 とと、誰か乾杯の音頭をとってもらわなくっちゃ、えっと〜、」

私はちょこっと幹事の都築に耳打ちしました。

「了解、では、新郎純一君のご指名ですのでよろしくお願いいたします。
 ○×会社部長の部長さん、よろしくお願いしまッす、」

部長は「なんだよ、こんな席でもおれか、」とか言いながら、
ニコニコして出てきてくれました。でも、かなり酔ってるゾ。

「え、新郎のご指名でありますので、はなはだ僭越ではありますが、
 ひとこと!、新郎新婦になりかわり、ご挨拶をさせていただきます、」

、、、って、部長、挨拶はいいんですって、乾杯、乾杯の音頭ですよ〜。


長々とした挨拶、ブ〜イングだぞ、これは。


「とまあ、ふたりはそういうわけで結ばれたのでして、私としても、、、」


、、、部長!、部長!、それくらいでいいっすよ〜。


「つまり、工藤君は我が社のホープでして、あ〜、将来を嘱望される、、、」


、、、あちゃ〜、完全に自分の世界に入ってるゾ。


「、、、ということです、工藤君、ガンバレよ、これでアイサツおわり!、」


幹事、やっと終わったかという声で、部長に声をかけます。

「すみません、ありがとうございました、で、乾杯の音頭は、?、」

「おお、そうだった、それではみなさん、グラスをお持ちください、」

ザワザワザワ、準備オッケイです。
部長、さすがに堂の入った調子で声高らかに、、、

「純一君、友美さん、おふたりの結婚を祝ってカンパイ!」

カンパイ!

ヒャッホウ〜。

コングラッチュレイション。

みな口々にその場に合わせた掛け声を上げて。

、、、


ふ〜、やっと、始まった、、、そんな感じでしたね。



また、延々と飲むんです、

よく飲むね、このJの話。



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)