J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年02月11日(火)    その夜、私はふとんにくるまるようにして眠りにつきました。

J (2.結婚)

2. 引越し (14)


鏑木さんが口をはさみました。
「おいおい、おふたりさんよぉ、ナニ見詰め合って難しい話をしてるんだい?、
 まったく工藤は仕事の話になると真面目気いっぽんなんだからなぁ、」

私は、鏑木さんの言葉で自分一人が浮いていることに気がつきました。
そして作り笑いをしレイに謝りました。
「ホントだ、これは失礼しました、へへ、ゴメンね、レイちゃん、」

レイは真面目な顔で、「いえ、そんなことはないです、」と答えました。


レイのこの言葉は少し冷たく聞こえました、、、



私たちはその後、食べるものを食べ、飲むものを飲み、面白おかしく話をし、

そのうちに鏑木さんがそろそろ帰るか、ということでレイを連れ先に帰り、

矢崎と宮川は少し仮眠をとってからワゴン車に乗って帰りました。



私は、、、ひとり残りました。



トモミさん、、、

もう僕には君しかいない、、、



幸せ一杯になるはずの新居にひとり佇む私。

とてつもない寂しさを感じるのは何故?


レイ、のこと?

否、!、それは違う、、、

それは違う、、、

それは、、、

違う、、、


、、、


その夜、私は友美さんと新生活で共にするふとんを引っ張り出し、

そのふとんにくるまるようにして眠りにつきました。

友美さんのことを思いながら。


その時、私の“私自身”は、、、 

ひとり悲しく猛り、、、

そして、、、ひとり悲しく果てるのでした。



(2.引越し、の項 終わり)


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