J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月24日(金)    私は敷いてあるふとんの上にあぐらをかいて、

J (2.結婚)

1. 結婚前夜 (13)


友美さんは、何か知らん?という表情で廊下を歩いてきました。
私は敷いてあるふとんの上にあぐらをかいて、友美さんを待ちました。

客間の入り口から友美さんは顔をのぞかせ、「なあに?、」と聞きました。
私は、「まあ、ちょっと入れよ、」と理由を言わずそう言いました。

友美さんは私の傍らにきました。
そして、「なあに?、純一さん、何か御用?、」と言いました。



、、何か御用?、って、いったい君はなんておっとりしているんだい?、、、



私は、ちょっぴり不服そうな顔をして、
「これでオヤスミ、じゃ、なんだかな、だからさ、」と言いました。


「あ、分かった、タバコね、今灰皿持ってくるわ、」

「うん、ありがと、、、って、それもそうなんだけどさ、」


「あ、飲み足らないんでしょ?、そうねぇ、、、
 いいわ、私、お父さんに聞いてみる、貰い物のウィスキーがあったはずよ、」

「お、それは有り難い、、、、って、やっぱり、それは止めとくよ、
 飲みたいなら飲みたいと自分でお父さんに話したほうがいいから、」


「そぉお?、じゃ、灰皿持ってくるわね、」

友美さんはすっと立ち上がって灰皿を取りに行ってしまいました。




 なんだかな、、、

 ちょっと、イメージが違うな、、、

 オレ、これで、いいのかな、、、


 でも、誰も悪いことはしていないし、

 友美さんはオレのことを大切にしてくれているんだし、、、


 オレはこのまま、このまま、流れていけばいいのかな、、、



私はふとんの上に仰向けになってタバコに火をつけました。



友美さんが灰皿を持って戻ってきました。


「はい、灰皿、」

「ああ、ありがと、、、」

「あと、何かあったら隣の部屋にいるから、言ってネ、
 私、お風呂に入ってくるわ、またあとでね、」


「うん、オレ、もう寝るよ、明日早いし、
 悪いけど朝4時半に起こしてくれるか、始発で行くから、」

「了解、お弁当作ってあげるからね、お楽しみに、」

「うは、そりゃ、楽しみだ、じゃ、オヤスミ、」

「オヤスミナサイ、、、」


「友美さん、」

「ん?」

「身体、大丈夫?、、、えっと、おなかの子どものこととか?、」

「大丈夫、安心していてね、じゃね、」
友美さんはにっこりしてそう言いました。

私もにっこりして「うん、」と言い、
タバコを消して起き上がり、友美さんの額に軽くキッスをして、

「じゃね、またあした、」と言いました。


友美さんはうれしそうに部屋を出て行きました。



 これで、、、

 これでいいのだよ、クドウジュンイチ、



私は自分にそう話しかけ電気を消しました、、、



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