J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月22日(水)    だって、お母さんが、、、

J (2.結婚)

1. 結婚前夜 (11)


そもそも、今夜私がここに来たのは、

レイとばかり一緒にいる毎日、

どうにかすると精神的に揺れて、、、そんな日であったからでした。


友美さんと逢えば私は、

私の心のうちの、誰に話すこともできない寂寥感を癒すことができる、

そう考えて急に思い立ったように特急列車に飛び乗ったのです。


こうして、一緒にいながらろくに話もできないのはツライ、、、。



風呂から上がると、何時の間にか、
私の下着は既に洗濯機に放り込まれていました。

その代わりに、脱衣籠の中には真新しい下着と、
小さ目のスウェットの上下が置かれていました。



「純一さん、召し上がりまして?、」

友美さんが脱衣室のドアの向こうから声を掛けてきました。


「ああ、友美さん、ごちそうさま、あの、オレの下着、、、」

「うん、私、洗濯したよ、Yシャツとズボンはアイロンかけるから、
 そのスウェット、私のだから小さいけど、他にないの、ごめんね、」

「り、了解、これ着りゃぁ、いいんだな、下着はお父さんのかい?、」

「そう、、、でも、新しいのよ、気にしないでね、」

「オ、オッケイ、悪いな、なんだか、」


「それと、、、そこに歯ブラシあるでしょう、使ってね、」

「ああ、これね、アイアンダスタンド、」

「あと、客間におふとん敷いておいたわ、ごゆっくり、してね、」

「ありがと、、、って、あのさ、オレはもう寝ちゃう、ってワケ!?、、、」



友美さんは一瞬黙りました。そして、小声で言いました。


「だって、お母さんが、、、」

と言って、さらに声を潜めて、

「純一さんは明日早いから早く休んでもらいなさい、って、そういうの。」



それを聞いて私は、

大きく、「ふ〜、、、」、と溜息をつきました。



なんなんだよ〜、、、



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