J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月18日(土)    こんな時間にお伺いして、

J (2.結婚)

1. 結婚前夜 (7)


そうした寂寥感に囚われると私は友美さんを想いました。


友美さんに逢えば、、、大丈夫、なんだ。

私は何度も自分に言い聞かせ、その寂寥感と戦いました。



友美さんは結婚の準備のため早くに実家に帰っていました。

私の住む町から特急で2時間余り、
海沿いの港町に友美さんの実家はありました。

すぐに逢うのにはちょっとの距離がありました。



今のように携帯電話があれば、毎日のように電話ができたでしょう。
しかし、この頃はまだ携帯電話も出始めた頃で一般的ではなかったのです。


私は電話を一日一回、決めた時間にかけました。

それ以外の時間にはかけませんでした。

何でかって言うと、
つまり、その、友美さんのお母様に厭味を言われそうでしたので、、、。



とある日のこと、

私はそうも言っていられない想いに駆られました。

レイとばかり一緒にいる毎日、

どうにかすると精神的に揺れて、、、そんな日でありました。


私は夕方友美さんに電話を掛けて、

「今からそっちに行くから、」と言って、

仕事を早々に切り上げて特急列車に飛び乗りました。


友美さんはまた優しい笑顔で迎えてくれる、
友美さんはまた喜んでくれる、
友美さんが大事なんだ、
友美さんを大切にしなくっちゃ、


私は夕闇に消え行く町並みを車窓から眺め、そう何度も思うのでした。


友美さんはまた優しい笑顔で迎えてくれる、
友美さんはまた喜んでくれる、
友美さんが大事なんだ、
友美さんを大切にしなくっちゃ、


、、、
、、、、、、

果たして、こんな時間にお伺いして、
友美さんのご両親はなんと思われるか知らん、、、


一抹の不安は、ありましたが。



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