J (1.新入社員)
6. 初めてふたりで飲んだ夜 (15)
私のこの突然の破廉恥な行為、
常識的には決して許されるものではなかったはずです。
上司が酔った勢いで部下の女性を抱き締める、
客観的にはセクハラにしか見られない私の恥ずかしい行為でした。
ただ、私もレイも酔っていたのです。
特に私は随分と酔ってしまっていた、、、
私は自分の気持ちを押さえることができなかった、、、
私が突然にレイを後ろから抱き締めた時に、 レイは驚いて「きゃっ、」と声をあげました。
そして私の手を振りほどき、「いやっ、」と言いました。
、、、「いやっ」、そう言われて私の心は悪魔になりました。
私は力を込めてレイを抱き寄せました。 そしてレイを私向きにし、今度はしっかりと抱き締めました。
だんだんとレイの力が抜けていくのが分かりました。
観念したかのように、、、。
じっとしているレイ、
ぎゅっと抱き締めている私、
私はキスをしたくなりました。 そうすることが自然な状況になった、と感じました。
しかし、、、
しかし、私はレイに唇を重ねることはできませんでした。
なぜなら、、、
なぜなら、レイの瞳には涙が溢れていたからです。
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