J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2003年01月01日(水)    トモミサンの妊娠はまだ確定じゃないって

J (1.新入社員)

6. 初めてふたりで飲んだ夜 (8)


友美さんはそのことを「誰にも言わないでね」と、
念を押して私に話していました。

レイについ、話してしまった私。

しまった!、、、と思いましたが後の祭りです。



こうした場合、私は誤魔化すことが苦手なタイプです。


というより、

正直にありのまま伝えて相手に理解を求める、
そうすることにより自分自身に整合性を与えたい、
そういう“バカ正直”とも言えるタイプの人間でした。


レイは私の顔を見て、とてもビックリした表情をしました。


私は、
「思い当たるふしがあってね、たぶんそうだと思うんだ、
 トモミさんはまだ確定じゃない、っていっているんだけどね、」
と付け加えました。

レイは、急に無理な作り笑いをして(私にはそう見えました)、
「そうなんですか、、、おめでとうございます、」と言いました。

私はさらに付け加えて、
「でね、この話は極秘中の極秘だよ、内密に頼むね、」
とレイに口止めを依頼しました。

レイは、
「ハイ、分っています、マズイですものね、結婚前じゃ、」
と言いました。



少しして、レイはボソッと言うように話しました。

「でも、これで確定ですね、、、工藤さん、」



確定?、、、何が?、
トモミサンの妊娠はまだ確定じゃないって言ったじゃないか、、、


私はレイが何を意味しているのか一瞬には理解できなかった、、、



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