J (1.新入社員)
6. 初めてふたりで飲んだ夜 (7)
思い当たるふしは、ある。
私は夏季研修の花火の夜、 無防備に友美さんを抱いたのでした。 そう、あの記憶に無い夜の出来事です。(こちら)
私は、そういうことはキチンとする人間です。 責任感の強い人間です。 ですが、あの晩だけは、どうかしてそうなってしまった、、、
数日前、友美さんは明るく嬉しそうに私にそのことを告げました。
「純一さん、もしかして、もしかしてかも、よ♪」
「なんだよ〜、それって、何がなんだか分んないこと言うなよ〜。」
「う〜ん、と、どうしよっかな〜、あのね、もしかしたら、なの、 生理が来てないの、だから、、、なの、」
「え!、ホント!、だって、いつだって、ほら、ちゃんと、、、」
「きっと、あの花火の夜、よ。純一さん、覚えてる?、」
「、、、ああ、あの時、もちろんだとも、覚えているとも、 そっか、トモミさん、オレ、君のこともっともっと大事にするよ、 ありがとう、トモミさん、うんうん、そっか、そっかぁ、、、」
「よかった、、、私、もしかしたら、純一さん酔ってたから、って、、、 よかった、うれしい、そんなふうに喜んで貰えて、、、」
私は記憶にないとは言えませんでした。 こんなに嬉しそうに私にそれを告げる友美さんなんだもの、、、 私は彼女を本当に愛しく思いました。
「うん、オレ、子供大好きだから、さ、よかったなぁ、って、 じゃさ、さっそく名前を考えよっか、ね!」
「もう、純一さん、気が早いんだから〜、フフ♪、 まだ確定じゃないの、ちょっと遅れているだけかも、よ、」
「な〜んだ、でもでも、大切にしてね、君の身体、そっかぁ、、、」
このような会話を、数日前私は友美さんとしていたのです。
私はレイと飲みながら、そのことを思い出したのです。
私はレイの質問に答えました。
「コドモかぁ、子供はオレ、大好きだから、たくさん欲しいよ、 でもなぁ、女性に負担をかけたくないし、まぁ、ふたりかな、」
レイは「ふ〜ん、」と口を窄めて頷きました。
その時私はつい、口を滑らせてしまいました。
「実はさ、トモミさん、妊娠したかもしれないんだよね、、、」
私は言ってしまってから、(しまった!、)と思い口を噤みましたが、 レイはしっかりと聞いてしまったようでした。
レイは私の顔を見て、「え?、」っという顔をしました。
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