J (1.新入社員)
5. 記憶にない夜 (1)
その時私はレイと何を話したのか記憶にありません。
何故だか、私の隣にレイが座っていて、何かを話していた、、、 私の記憶にはそうとしか残っていませんでした。
けれども、レイはその時の話を記憶していて、 それがその後、私とレイの関係に影響を及ぼした、のです。
私の記憶にない話、 ですが、 確かに私が話したという話、
3年後、レイの口からその話を聞いた時には、 私は自分の気持ちに疑いを持ち得なかった、、、
しかし、ここではその話は書きません。
この物語が3年後に駒を進め、 レイが私に向かってその話をする時までは、 私はその話の記憶がないままににして、筆を進めなければなりませんから。
その時のレイとの話についての記憶がないのと同様、 私はその他の出来事についても、うっすらとしか記憶にありません。
よっぽど私は酩酊してしまったのです。
花火が終わり、皆で片付ける段になりました。
なのに私は一部の連中と一緒に飲み続けていました。
大方が宿舎に引き上げた後も。
レイは、どうしてか先に宿舎に戻りました。
最後は、数人の新入社員と、私と友美さんが残っていました。
友美さんは言いました。
「純一さん、お散歩、どうします?、」
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