J (1.新入社員)
5. 記憶にない夜 (2)
「散歩?、そうだ、そうだ、行こう、行こう、」
私は随分酔っていました。
人前であることもどうでもいいように、大胆にそう言い、
「おい、あと頼むな、ちゃんと片付けておけよ、 オレはちょっと友美さんと海岸を散歩にいかにゃならん、」
新入社員の何人かに声を掛けてから、私は立ち上がりました。
友美さんは、少し戸惑ってしまったようです。 身の回りを片付けをしながら、 「純一さん、皆に悪いわ、片付けてからにしましょ、」と言いました。
すると、安田が、 「友美さん、大丈夫ですよん、あと自分達の分だけですから、」 と言い、まごまごしている友美さんを送り出してくれました。
月明かりの夜の海岸。
しばらくは離れて歩いていましたが、
少しするうちに並んで歩き、
また少しするとぴったりくっついて歩くようになり、
そのうちに私は友美さんの女性を感じ、
いつしか唇を重ねておりました。
私は酔っていました。 いつもの理性がなくなってしまっていた、、、
去年の花火の夜以来、 友美さんは私を拒むことはなくなっていました。
いつでも私に身を預けてきました。
その夜も、そうでした。
私には、うっすらとしか記憶にない、そんな夜なのに、、、
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