J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月22日(日)    私は、いつしか唇を重ねておりました

J (1.新入社員)

5. 記憶にない夜 (2)


「散歩?、そうだ、そうだ、行こう、行こう、」

私は随分酔っていました。


人前であることもどうでもいいように、大胆にそう言い、

「おい、あと頼むな、ちゃんと片付けておけよ、
 オレはちょっと友美さんと海岸を散歩にいかにゃならん、」

新入社員の何人かに声を掛けてから、私は立ち上がりました。


友美さんは、少し戸惑ってしまったようです。
身の回りを片付けをしながら、
「純一さん、皆に悪いわ、片付けてからにしましょ、」と言いました。

すると、安田が、
「友美さん、大丈夫ですよん、あと自分達の分だけですから、」
と言い、まごまごしている友美さんを送り出してくれました。



月明かりの夜の海岸。


しばらくは離れて歩いていましたが、

少しするうちに並んで歩き、

また少しするとぴったりくっついて歩くようになり、

そのうちに私は友美さんの女性を感じ、

いつしか唇を重ねておりました。



私は酔っていました。
いつもの理性がなくなってしまっていた、、、


去年の花火の夜以来、
友美さんは私を拒むことはなくなっていました。

いつでも私に身を預けてきました。


その夜も、そうでした。

私には、うっすらとしか記憶にない、そんな夜なのに、、、



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この物語はフィクションです。

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