J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月12日(木)    今度飲みに連れって行ってあげようか?

J (1.新入社員)

4.花火の夜 (3)


私と友美さん。

私は営業部、友美さんは総務部、の、社内恋愛。


社内の成人式のお祝いパーティの時に、
軽い気持ちで飲みに誘ったのが始まりでした。

パーティの最中、友美さんは皆にビールを注いで回り、
やがて私の所にも注ぎにきました。

「工藤さん、いつもお世話になっています。」
「やぁ、友美さん、おめでとう、君も少しは飲めるのかい?、」
「いえ、少しで駄目になっちゃうんです。」
「ふ〜ん、そう、君はどこの出身だっけ?、」
「田舎なんですよ、○×郡の○×町、」
「あ、海のほうだね、いいなぁ、いつでも釣りができて、」
「工藤さんは釣りがお好きなんですか?、」
「うん、○×町の港にはよく行くよ、」
「なんだか恥ずかしいわぁ、」
「そんなことはない、いい町じゃないか、」

とまぁ、話がぽんぽんと弾みました。

私は気をよくしてついその調子で飲みに誘ったのです。

「今度飲みに連れって行ってあげようか?、」
「はい、お願いします、」

とあっさりとした返事、
私はこれは社交辞令と心得て、
「今度ね、」とだけ言っておきました。


私はそれっきりほっておきました。
何故なら私は友美さんに特別な感情は持っていませんでしたし、
彼女もたぶんそうであろうと思っていましたので。

当時、友美さんは20歳、私は28歳、
年齢もかなり離れていたこともありましたし。


ところが、一月後のバレンタインデーの日に、

それが思い違いであったことに私は気づいたのでした。


それは、、、
勘違いの始まりのようでもありました。


ともかく、私と友美さんの仲は、
バレンタインデーを機会に、
とんとん拍子にプロポーズするまで一気に進むのです。



  < Pre  Index  New >    


INDEX+ +BBS+ +HOME+ 
この物語はフィクションです。

My追加

+他の作品へのリンク+・『方法的懐疑』(雑文) ・『青空へ続く道』(創作詩的文章)