J (1.新入社員)
4.花火の夜 (3)
私と友美さん。
私は営業部、友美さんは総務部、の、社内恋愛。
社内の成人式のお祝いパーティの時に、 軽い気持ちで飲みに誘ったのが始まりでした。
パーティの最中、友美さんは皆にビールを注いで回り、 やがて私の所にも注ぎにきました。
「工藤さん、いつもお世話になっています。」 「やぁ、友美さん、おめでとう、君も少しは飲めるのかい?、」 「いえ、少しで駄目になっちゃうんです。」 「ふ〜ん、そう、君はどこの出身だっけ?、」 「田舎なんですよ、○×郡の○×町、」 「あ、海のほうだね、いいなぁ、いつでも釣りができて、」 「工藤さんは釣りがお好きなんですか?、」 「うん、○×町の港にはよく行くよ、」 「なんだか恥ずかしいわぁ、」 「そんなことはない、いい町じゃないか、」
とまぁ、話がぽんぽんと弾みました。
私は気をよくしてついその調子で飲みに誘ったのです。
「今度飲みに連れって行ってあげようか?、」 「はい、お願いします、」
とあっさりとした返事、 私はこれは社交辞令と心得て、 「今度ね、」とだけ言っておきました。
私はそれっきりほっておきました。 何故なら私は友美さんに特別な感情は持っていませんでしたし、 彼女もたぶんそうであろうと思っていましたので。
当時、友美さんは20歳、私は28歳、 年齢もかなり離れていたこともありましたし。
ところが、一月後のバレンタインデーの日に、
それが思い違いであったことに私は気づいたのでした。
それは、、、 勘違いの始まりのようでもありました。
ともかく、私と友美さんの仲は、 バレンタインデーを機会に、 とんとん拍子にプロポーズするまで一気に進むのです。
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