J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年12月11日(水)    花火の夜、私たちは初めて結ばれたのでした。

J (1.新入社員)

4.花火の夜 (2)


私はレイのほうをチラッとでも見たことに後悔をしました。

見なければよかった、、、
目が合ってしまうなんて思いもよらなかったのに、、、

そして、何でオレは目をそらしたんだ、!、


その時私がとった奇妙な行動に、私は私自身を嫌悪しました。

その時、私は友美さんから身をずらし、少し離れたのです。

肩を並べているところを、レイに見られたくないかのように、、、



「きれいね〜、、、純一さん、」

友美さんの声に私は我に帰りました。

「ああ、キレイだ、、、すっげぇな〜、」
私はことさら素っ頓狂な声で言いました。

自分の後ろめたさを隠すかのように。


「純一さん、去年の隅田川の花火、覚えている?、」

「覚えているよ、もちろん、」

「そう、よかった♪、」
友美さんは嬉しそうに言いました。


去年のある日の花火の夜、
私たちは初めて結ばれたのでした。

私はその一ヶ月前にプロポーズをしていました。

しかしそれまでのお付き合いの中で、
友美さんは頑なにそのことを拒んでいました。

私も友美さんのことは別格な対象でしたので、
特別にそのことを強く要求してはいませんでした。



その晩は、そうなるべくして、そのようになった、
そうなるしかなかった、そういう夜だったのです。



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