J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月30日(土)    私はキスしてあげたいと思いましたが、

J (1.新入社員)

2.夏季研修 (13)


友美さんは、
「たぶん、恥かしかったんじゃないの?、
 会社の人にそんなこと言えないでしょ、普通、」
と言いました。
「それもそうだな、うん、あ〜あ、もうグテングテンだ、
 そろそろ帰って眠たいな〜、」
私は大きく伸びをしてあくびの仕草をしました。

「大丈夫?、明日二日酔いで辛くなっちゃうね、また、」
「うん、うん、もう帰ろっか、A部長に言ってくるよ、」

私は席を立ちA部長に「そろそろ、」、
と言って会計を済ませ、皆で帰ることにしました。


帰りのタクシーは相乗りでギュウギュウになって乗り込み、
誰がどう乗ったのかは分りませんでしたが、
大騒ぎをしながら宿舎に戻りました。

タクシーを降り、友美さんが私に駈け寄り、
「おやすみなさい、純一さん、」
とひと言言ったので、
私はキスしてあげたいと思いましたが、
皆の手前できませんでした。

私は、「うん、おやすみ、散歩、あしたしような、」
とだけ言って友美さんと分れました。

レイは、いつの間にか部屋に消えていました。


雨が降り続いていました。


(2.夏季研修 の項、終わり)


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