J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月29日(金)    何話してたの?、

J (1.新入社員)

2.夏季研修 (12)


私は思わず、「誰?」、と聞きそうになりました。
ですが、その言葉は飲み込んで、ニコリとして、
「どんな人なのかな、レイちゃんの好きな人って?、」
と聞きました。

レイもにこっとしました。
そして、
「そうですねえ、私、う〜ん、やっぱり、ナイショ、、、」
と言いました。
私は、「そっか、」とだけ言って、水割りをゴクリと飲みました。

ちょっと間をあけて、私は聞きました。
「その人、年上?、」
レイは目を丸くして私の顔を見、「、、、え?」、と小声で言い、
そのまま言葉を飲み込んで黙ってしまいました。


私はさらに聞いてみたかった。
ですが、その時はそれ以上は聞けませんでした。
何故ならそこに友美さんが来たからです。

「純一さん、」
「ああ、トモミさん、歌、よかったよ、」
「ありがとう、レイちゃんもさっき歌ってたわね、」
「はい、すみません、へたっぴで、
 あ、友美さん、ここどうぞ、私、向こうに座りますから、」

レイは気を利かせて席を友美さんに譲りました。
友美さんは、どうしたらいい?、と私に目で聞き、
私は、うんうん、と顎で答えました。
レイが立って、友美さんが私の横に座りました。
レイは、
「お邪魔しました♪」
と敬礼するようにして言って向こうにいってしまいました。

「何話してたの?、純一さん、レイちゃんと、」
「いや、別に、、、」
「ふ〜ん、」

友美さんは私を訝しげに見ました。

私はタバコに火を点けてから、
友美さんの顔を見て言いました。


「レイちゃんさ、オレには彼氏いないって言ったぞ、なんでだろうね、」



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