J (1.新入社員)
2.夏季研修 (12)
私は思わず、「誰?」、と聞きそうになりました。 ですが、その言葉は飲み込んで、ニコリとして、 「どんな人なのかな、レイちゃんの好きな人って?、」 と聞きました。
レイもにこっとしました。 そして、 「そうですねえ、私、う〜ん、やっぱり、ナイショ、、、」 と言いました。 私は、「そっか、」とだけ言って、水割りをゴクリと飲みました。
ちょっと間をあけて、私は聞きました。 「その人、年上?、」 レイは目を丸くして私の顔を見、「、、、え?」、と小声で言い、 そのまま言葉を飲み込んで黙ってしまいました。
私はさらに聞いてみたかった。 ですが、その時はそれ以上は聞けませんでした。 何故ならそこに友美さんが来たからです。
「純一さん、」 「ああ、トモミさん、歌、よかったよ、」 「ありがとう、レイちゃんもさっき歌ってたわね、」 「はい、すみません、へたっぴで、 あ、友美さん、ここどうぞ、私、向こうに座りますから、」
レイは気を利かせて席を友美さんに譲りました。 友美さんは、どうしたらいい?、と私に目で聞き、 私は、うんうん、と顎で答えました。 レイが立って、友美さんが私の横に座りました。 レイは、 「お邪魔しました♪」 と敬礼するようにして言って向こうにいってしまいました。
「何話してたの?、純一さん、レイちゃんと、」 「いや、別に、、、」 「ふ〜ん、」
友美さんは私を訝しげに見ました。
私はタバコに火を点けてから、 友美さんの顔を見て言いました。
「レイちゃんさ、オレには彼氏いないって言ったぞ、なんでだろうね、」
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