J (ジェイ)  (恋愛物語)

     Jean-Jacques Azur   
   2002年11月09日(土)    彼女のその後

J プロローグ

2.彼女、レイ、について (2)


彼女、レイ、は、結婚後、
ふたりのこどもを生んだようです。
私はそれを風の便りに聞きました。

母として、妻として、生きていると。


私とのことは、遠い昔の出来事のように、
既に忘れてしまっているかのように、
日々の生活をしているかのようでした。

私も、同じように、レイのことは、
遠い思い出の果てのこととして、
心の奥底にしまっておりました。


ある日の朝、
私は今の仕事の営業先を出て、
とある住宅街を歩いていました。

そこはアパートと一戸建てと商店が、
無造作に立ち並ぶ古くからの住宅街でした。


私はなんとはなしにぶらぶらと、
当てもなくうろついているうちに、
乳製品を宅配している女性を見かけました。

私は思わず、
「あ、」
っと、声をあげました。

そして、とっさに電柱の陰に隠れたのです。

それは、まさしく彼女、レイ、だったからです。



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この日記は全てはフィクションであり、
実在する人物をモデルにして書くものではありません。

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