J プロローグ
1.私について (3)
もちろん私は、 彼女、レイ、との恋愛が初めてであった訳ではありませんし、 私の妻との愛が初めてであった訳でもありません。
遠く幼い日の初恋から、思春期のころの熱情による恋、 愛情からなのか、それとも欲情からなのか、 いつともなく通り過ぎていった恋、 その間に私は、青年となり、そして大人となっていったのです。
確かにそれらはその当時、恋愛でした。
しかしながら、私が今思うには、それらは、 恋愛ではなく、恋であったように思うのです。
恋、恋しいと思う情、です。
恋愛とは、恋愛の情があること、 つまり、恋しいと思う情、と、愛しいと思う情があること。
恋しいと思う情だけでも、 愛しいと思う情だけでも、 それは恋愛としては片手落ちのように感じるのです。
私は、私の妻に対して、 愛しいと思う情はありますが、 恋しいと思う情がありません。
私は妻を愛しています。 しかし、恋愛の情ではないのです。
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この日記は全てはフィクションであり、 実在する人物をモデルにして書くものではありません。
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