J プロローグ
1.私について (2)
私には年下の妻と子供がいます。
高校をでてすぐに就職した妻は、 世間のことをあまり知りませんでした。
同じ会社に勤めていた私に対して、 妻はいろいろ世間を知っている大人を感じたようです。
いつしか妻は年上の私に憧れ、 そして恋心を持つようになってゆきました。
性格は几帳面で、おだやか、気立てもよく、家庭的、 誰からも可愛がられ、誰からも誉められる、そんな女性でした。
私はといえば、結婚適齢期であったので、 周囲からせくように薦められ、やがて結婚。 誰もが祝福してくれた、幸せな結婚でした。
私にとってはこの上のない話でした。
ただ、残念なことに、 私には恋愛の情がなかったのです。 私は妻を愛していました。 今も愛しています。
ただし、それは恋愛の情ではなく、 妻を愛しいと思う情だったのです。
そのことに気づき始めたのは、 結婚後、3年がすぎたのちのことでした、
この物語のヒロイン、レイ、との恋愛によって。
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この日記は全てはフィクションであり、 実在する人物をモデルにして書くものではありません。
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