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2007年06月19日(火) 初夏の宵

退職前で仕事が少し軽くなり、毎日9時から10時の間に帰れている。ワールドビジネスサテライトを見ながら夕食。普段の生活より楽なはずなのに、体のだるさと頭痛が抜けない。こういう理由のない体調の悪さと、いつまでつき合えばいいのか。ときおり途方に暮れる(おそらく仕事を辞めるまでだろう)。

それでも暖かい時期は好きだ。体が自由になって、どこまでも歩こうという気になる。先日も、新宿から高円寺の家まで、彼と2人で歩いて帰った。彼が「青梅街道沿いは歩いても面白くないよ」と言うのを説得して。タクシーで通り過ぎたらどうということはない大通りから少し奥を覗き込むと、色々なものが見えてくる。

だいぶ家に近づいたところで、中野駅のそばの公園を突っ切る。夜の10時過ぎだというのに、ダンスの練習をする若者の集団がいた。30人弱といったところか。建物のガラスに姿を写して、ステップを踏んでいる。通り抜けるのが少し怖くて、私も彼も雑談をやめる。

公園を過ぎ、中野のガード沿いに来たところで張りつめていた雰囲気がやっとゆるむ。ほっとして、「センセイ、あの若者の群れは何でしょう」と尋ねると「昔からいる。毎週集まってくるようだ」と答えが来る。センセイは昔、新中野に住んでいた。今よりもずっと狭い1Kで、騒音もうるさかった。ただ、お風呂だけは浴槽があって今より良かったと懐かしそうにしている。ユニットバスはお風呂好きにとっては大きな妥協なのだという。

センセイの新中野の家に、一度だけお邪魔したことがある。屋上から月を見た。あれはロマンチックでよかった。恋の炎を、盛り上げた(そうでもないか)。今の家には屋上がない。仕方がないので、ベランダから月を見ている。


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