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2003年01月12日(日) ”くる”雑誌でうらなう2003年 連載第二回

前回は反響をどうも有り難うございました。
一応、一回で終わらせるわけにもいかず、
おそらく二回で終わらせるわけにもいかないので
あと数回は、ずるずる続いていくのでしょう。

こちらも昨年創刊された新しい雑誌です。
TEREPALをTEREPAL f とテレビサライに分けたのは
功を奏している、と個人的には考えます。
(実際の売り上げは調べていません。申し訳ない。)



第二回
テレビサライ東版(小学館)
西版もあり
毎月26日発売・500円(税込)
A4版
発行部数はデータがないため不明
(旧TEREPALは60.0万部 角川書店・月刊ザ・テレビジョンは120.0万部)



私たちが中学時代に全盛だった「プチセブン」という雑誌が
少し前に休刊して、PSというティーンズファッション誌が登場した。

これが、いけない。
よく読んではいないけど、とにかくいけない。

なぜ読んでいないか、って
ファッション誌のくせに表紙のデザインが野暮ったすぎるからである。
中島美嘉もいけない。
なんとなーく、安い。

「表紙が野暮ったい」という
どうしようもない理由で、私のように本を開かない読者が沢山居る。
と、私は思う。

何を隠そう初めて私がSTUDIO VOICEを買った理由は
「何となくかっこいいから、何となくサブカルっぽいから」
である。
どうしようもない。
なんとなく緒川たまきが○で中島美嘉が×、これと一緒だ。

根拠も何もないのに、私みたいなあほ読者は
雑誌も見た目で判断するしかないのだ。

といったようなことは
前回の「暮らしの手帖」の回にも書いた。



で、テレビサライである。
PSと同じ、小学館の雑誌だ。

ここまで悪口を散々書いておきながらなんであるが
私は、小学館という出版社が大好きである。
よく読んでみると、本当に良くできている雑誌が多い。
最近は、PSももしかしたら
よく読んでみればいい雑誌なのかもしれないとさえ思う。
(買わないけど)

「美人は三日で飽きる」というではないか。
深く付き合っていくほどに良さが分かってくる人のほうが
本質的に魅力あり、という事実は明白だ。
そう、大切なのは何でもきちんと○○することなのである。

私はテレビには”よく見れば、まだ見るべき番組”が残っている
ということを
テレビサライに教えてもらった。

(というか、必死でその「残っている部分」を探さないといけないくらい
つまらないんだよね、最近のテレビ。
しかし、大学三年生になった途端
テレビ局に入ることはものすごいステイタスだとされる。
不思議な世の中だなあ。)

この雑誌がターゲットとするのは、
言うまでもなくサライ読者、定年後のお金持ち老夫婦である。
彼らが大好きな番組は?
そう、「プロジェクトX」に決まっている。

テレビサライはプロジェクトXの手法で
テレビを切っていく。
振り返ったり、裏側をのぞくことで
番組の奥行きは一気に増す。

開局50年にあたり黒柳徹子に当時の裏話を聞く。
宮本武蔵のストーリーから
今を見てみようと提案する。

かつての日本にあって、今の日本にないものを
私は知らない。
「昔の映画は良かった、トットちゃんがもう一度見られたら」と
この本を回顧録のように使うつもりもない。

ただ、見逃すはずだったテレビにフックを与えてくれるという点で
素晴らしいと感じるのだ。
”きっかけは○○”というどこかのテレビ局の
宣伝文句があったが、
正直きっかけにしてみよう、そのために見てみようと思える番組さえ
今までの私にはなかった。

きっかけをくれたのは、雑誌だった。

テレビで地球の果てをめぐり、
めぐった気になり、さらには本当にめぐってみようかという気にさせる。
紀行番組をひたすら集め、さらにはツアーまでつける、
金持ち小学館の心意気が好きだ。


掘り起こせばあったのだ、面白いことはこんなにも。


幸い、プロジェクトX世代の読者は、
表紙のデザインなどで本を判断しなそうである。
(テレビサライのデザイン結構好きだけど。字も大きくて良心的だし)

きちんとしたものを作れば、きちんと売れるという
小学館に追い風となる素晴らしい時代なのかもしれない、今は。


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