流れるようなうたをうたいたかった あふれる水を赦したかった 森を見せてあげたかった 脳の踊るさまや 灼ける夏の長さを あの場所へ飛んでいく血流を教えてあげたかった 雨に殺されてしまいたかった 息をする 口を拡げ 声を戻すように 与えたかった
どれだけわたしが手を振ったか
しなやかな腕になりたかった 足りない場所に連れて行きたかった 部屋を さんばんめの部屋を 示してあげたかった ひらかれた日を 負けたのだと思った日を 死んでも愛していたかった
あつくるしいほどの わたしはまんなかでうまれた それは濃い 、無菌室
せかいじゅうのあしもとからうまれないわたしは せかいじゅうのあしもとへ手を伸ばし
おまえを捨てたかった
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